平成の終わりに

今日で平成が終わる。平成元年生まれの私としては、節目のように感じている。

「最後の日だし、何か書くか。」と思い、平成を思い返す。いろんな思い出がある。けれど、過去を振り返り、つらつらと綴るつもりは無い。


そんな中、大正15年生まれの亡き祖父(以下、じいちゃん)のことを思い出した。15年ほど前に亡くなったのだが、とてもユニークな人で、今もよく覚えている。

江戸時代から続いた鍛冶屋の4代目で、工業高校で機械工学をかつて教えていて、バスケットボール部の監督でインターハイ常連だったじいちゃん。彼がバスケに出会ったのは、戦後、米兵がストリートバスケをやっていたのを見て、「面白い、カッコいい。」と思って教えてもらっていたそうな。そこから指導者になり、あらゆるスポーツを観るようになる。監督は勝負師だ。

定年退職後のじいちゃんに育てられていた私は、じいちゃんと一緒に、ありとあらゆるスポーツを幼少期から観ていた。お陰で体育の筆記テストで困ったことは1度もない。

何のスポーツの試合を観ていたかは忘れたけど、じいちゃんが言った一言が今でも心に残っている。

「こいつ笑ってる。楽しんで試合してるな。こりゃ、このチームが勝つやろ。」

とある選手が楽しんでプレイしている様子がじいちゃんの眼に引っかかったようだ。じいちゃんが言ったようにそのチームは勝利していたように記憶している。


じいちゃんの言葉や視線は、今も私の中に根付いていて、私はどんな状況でも楽しんでいる人が好き。自分の「好き」を思いっきり語る人が好きだ。

私が生まれ育った平成は、全てが良かったわけではない。楽しかった時間よりしんどくて苦しかった時間の方が個人的には長い。新しく令和でも、それなりにしんどい時間があるだろう。それでも誰よりも笑って楽しく生きていたい。

“幸せだから笑うんじゃない。笑うから幸せなのだ。”

ありがとう、平成。令和、楽しんでいきましょう。

いただいたサポートで本を買ったり、新しい体験をするための積み重ねにしていこうと思います。