桜餅の香りがする花、リューココリーネ・カラベルによる、春待ちのセレモニー 〜海野千尋さんの造形作品とのコラボレーション〜
桜の葉はそのままでは香りませんが、塩漬けにすると細胞から芳香成分が漏れ出して、甘酸っぱい、少し冷んやりとした風に頬をなでられるような、ちょっぴりざらついた皮膚感覚がする、臭いがします。表題の画像は、塩漬けの桜葉を巻いた関西風の桜餅です。桜餅の臭いは、生命力が発露する、春を象徴する香りです。
早春に出荷されるリューココリーネ・カラベルは、桜餅の臭いがする紫色の花です。盛春の花、すみれよりも先に出てきて、春の訪れを告げてくれる、切れ込むような鋭利な生命力のある花です。
そんな、リューココリーネ・カラベルの花の下で、海野千尋さんによる造形作品の撮影会をしました。海野千尋さんの作品は陶土と布から生み出されたもので、花に相応しい、神聖で清らかな魂が宿っているかのような、創造物です。
まずは、「菫色の瞳をしたお話し上手なお姉さん」です。
お姉さんは、和風のお顔をされています。花の色と瞳の色とが、シンクロして、まるで、千年前に生きた才女、紫式部の再来のようです。
続いては、「空をみあげている子」です。
少女のエキゾチックな風貌と、花の鮮やかな色彩とが入り交じり、古代オリエントと中南米古代文明との申し子のようです。
花と海野作品とのコラボレーションで、神秘的で華やかな春待ちのセレモニーになりました。
追伸
桜のイメージはピンクですが、多くの花見で愛でる観賞用の桜の品種、ソメイヨシノは、白です。岡山市表町商店街の和菓子店、滎太樓では、ソメイヨシノに忠実に、白い桜餅を製造しています。
今は5月で、新緑の季節なので、柏餅と並べてみると美しい光景になりました。
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