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ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論 感想#1

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」という本が面白いので思ったことをつらつらと書きます。
まだ読み始めたばかりですが、読んだ個所で印象に残ったことなど。

ブルシット・ジョブとは

最初に、本書にある「ブルシット・ジョブ」の定義を記載すると、

ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。

ということになります。
凄く簡単に言うと、本来なくても良いムダな仕事ということです。

その「ブルシット・ジョブ」を筆者は5つの類型に分類しているのですが、その最初の類型「取り巻きの仕事」について、思い当たる節があるので記載します。

取り巻きの仕事とは

こちらも最初に定義を記載すると、

取り巻きの仕事とは、だれかを偉そうにみせたり、だれかに偉そうな気分を味わわせるという、ただそれだけのために(あるいはそれを主な理由として)存在している仕事のことである。

ということになります。
個人的には、「取り巻き」の言葉のイメージのとおり、偉い人に寄ってくる人間や偉い人の周りに存在しているだけの意味のない人たちのことがまず頭に思い浮かんだのですが、
偉い人の周りに人が集まるのではなく、偉そうに見せるためにも人を集める必要があるんだな
という新たな発見がありました。

本の中ではこれを端的に、
取り巻きなくして威厳なし
と表現していました。個人的にこれは名言だと思いました。

個人的な経験から

私が以前に働いていた某大手インフラ会社でのこと。
派遣の女性が入院で数か月間休むことになり、同じチームの人は仕事が増えて大変だなあ、と自分自身は思っていました。

しかし、実際には、誰一人忙しくなったような感じはしないし、実際残業時間が増えている人もいませんでした。

その女性には申し訳ないですが、いなくても問題ないことが分かりました。分かったんだから、契約更新しないよね、とその時には思いました。
しかし、翌年度も契約を更新し、同じように働くことになりました。

ちなみこの部署は、年間で10億円近くの赤字を何年も出し続けている、事業存続すらしない方が良いと個人的に考えていた部署でした。
そんな部署なので、もちろんムダな業務などは山ほどありましたが、業務削減やコスト削減の意識は皆無であり、今回の派遣の女性の件も、「コスト意識マジでないな、この人たち。」と感じていました。

しかし、この本を読んで、人員を削減しない理由がそれ以外にもあると気付かされました。
自分の部署はこんなに多くの人が必要なだけ大きい組織なんだ、重要な部署なんだ、やるべき仕事がたくさんあるんだ
と他の部署にアピールするためにも、その派遣の女性が必要だったんだなと。

これは、本書の中にある取り巻きの仕事

ある人間が自分の下で働いている従業員の数を自慢できるように生み出された仕事

にピッタリ当てはまる例でした。

まとめ

上記のように、本書を読んでいて、人員を削減しない理由が他にもある、全く違う観点からも説明できるという新たな発見がありました。

心理学では、人間の行動の背後にある理由のうち、95%の理由は本人も自覚していないと言われています。

人間行動ですらその理由を説明するのは難しいのですが、それらが複雑に絡み合った社会の事象の理由を説明するのは更に難しいことだと思っています。
人員削減の例一つとっても自分の理解していない様々な理由があることが今回新たに分かり、世の中の複雑性を更に思い知った次第です。

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