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組織を全速前進!させるビジョンのつくり方を学べる本 『ザ・ビジョン』

組織で働く一人ひとりがエネルギッシュにワクワクと仕事に向かうことで、その組織のパフォーマンスは大きく引き出されます。そんな組織を作る上で欠かせないのが「ビジョン」であり、その作り方を記したのが本書です。

本書はストーリー形式で書かれており、38歳まで子育て一筋だった女性エリーが保険会社で働くことになり、そこの社長ジムとの対話を通じてビジョンを学び、会社と人生を変えていくというお話です。

ビジョンのような曖昧なものを、一体どのように考えればよいのか、どうすれば活用できるのか、非常にわかりやすくまとめられています。会社を経営する立場だけでなく、個人にとっても役立ちます。

ビジョンをつくる「有意義な目的」「未来のイメージ」「明確な価値観」

本書では、中堅の保険会社が舞台となります。その社長ジムは2代目社長で、創業当時の「全速前進!」しているような状態に会社をしたいと考えており、そのためにビジョンが必要だというわけです。

説得力のあるビジョンをつくり出すには3つの要素があるとしています。
・有意義な目的
・未来のイメージ
・明確な価値観

最初に「有意義な目的」を持ってきており、それを「ミッション」と呼ばないところは私の好みにも合ってます。そして、人々に明確な方向性を与えて意欲をかきたてることができるビジョンの定義をこう書かれています。

ビジョンとは、自分は何もので、何をめざし、何を基準に進んでいくのかを明らかにすることである。

ビジョンは入れ子構造であり、未来であり現実である

ビジョンは、会社のためのものだけではありません。部署やチームといった人が集まって活動するときにも有用ですし、家族にさえ有用です。

本書でも、会社のビジョンよりも先に、トラブルのあった経理部がビジョンをつくったりしています。組織で考えれば、ビジョンは会社から個人のレベルまであり、フラクタル構造になっているのです。

私たちの会社でも、一人ひとりのビジョンを確認するための「すりあわせ」というマネジメントチームとの1on1を定期的に実施しています。そこで個人のビジョンと会社のビジョンのすりあわせを行っています。

また、ビジョンは「未来のイメージ」だけでなく、現在の現実とつながっているものでなければいけません。今できていないことはビジョンではないという考えも、私たちの考えと一致しています。

ビジョンをいかに創造するか、伝達するか、実践するか

本書では、ビジョンの定義について考える前半で終わらず、実際にビジョンを現実的なものにするための後半部分で構成されています。

よくある「ビジョン」は言葉は立派だけど、額縁に飾っておくだけで誰も憶えていないし、知らない人さえいるようなものにしてしまっては意味がないのです。

本書では、ビジョンを現実にするためには3つの「いかに」があるとしています。
・ビジョンをいかに創造するか
・ビジョンをいかに伝達するか
・ビジョンをいかに実践するか

会社であれば、社員のみんなを巻き込んで作っていかなければ、ただの薄ら寒いものになってしまうでしょう。そのためには、リーダー自身がビジョンづくりにコミットしていかねばならないと改めて私も決意しました。

ビジョンは1度つくってしまったら終わりではない

実は、本書は2004年に出版された同名の書籍の改訂新版です。私自身、会社を創業してビジョンを掲げて経営をする際に、とても参考にさせてもらったことを憶えています。当時ブログも書いてます。

そして、今年は私たちの会社が10年目になるということで、改めてビジョンの見直しをしていこうと考えていたときに、偶然にも改訂新版が発売されたということで改めて読み返してみたのです。

私たちの会社も、10年が経過する中で人も少しずつ増えて創業時の10倍の人数になりました。創業メンバーより、中途採用で入った人の方が多くなり、今いる人たちにあわせてビジョンをアップデートすべきだったのです。

ビジョンを見失わず、めざして進みつづけるには「勇気」が必要だ。

これも本書に書かれた言葉です。これからビジョンのアップデートしようとする私にとって、本当に良いタイミングで読むことができました。

ビジョンは、かかわるすべての人に
恩恵をもたらすものでなければならない。

また何度か読み返したい本です。

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