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「正論は正しくない」は正しいのか

とある講義を受けて、気になった言葉は「正論は正しくない」。

私自身、身に覚えがある。正論を言うだけ言って、何も変えられなかったことがある。それではうまくいかない。そのためにコミュニケーションを学んだように思う。

本稿では、正論とコミュニケーションについて考察してみたい。

正論モンスターは言いたいことを言うだけの存在

20代で社会に出たばかりの若い頃は正論ばかり言っていた気がする。プログラマという職業柄、なまじロジカルに考えることが得意だったし、ロジックが通っていることが正義だと考えていた。正論モンスターだったと言っても過言ではない。

だから、誰に対しても正論を言っていた。上司だろうと会社だろうと、お客様だろうと、己の信じるロジックを伝えないと気がすまない。人によって態度を変えなかったのは救いだけど、今思い出したら恥ずかしい。

当時の私には、コミュニケーションで人を動かす意識はなかったと思う。伝えたいことを伝えることがコミュニケーションだと勘違いしていた。言葉を伝えたらおわりで、相手が動くかどうか自分には関係ないと考えていた。

しかし、それはコミュニケーションではなかった。結論から話しても、1分で話しても、相手が動かない限り、コミュニケーションとしては意味がなかった。伝えるだけで相手がわかってくれないと嘆いていても、何も変わらないのだ。

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