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ザツダンとオープンさが働きやすい会社をつくる 『山田理 最軽量のマネジメント』

サイボウズさんの経営と働き方は、非常にシンパシーを感じていて、社長の青野さんとは何度か対談もさせて頂いたり、青野さんの書かれた本も読んでいたので、よく知っていました。

今回はサイボウズ副社長の山田さんが書かれた本ということで、青野さんの本とは別の観点からのマネジメントを知れる本になっています。

銀行員からのITベンチャーへの転身、ブラック企業からの働きがいのある会社への転換など、大きな変化を身をもって体験されてきた話は非常に面白いものでした。

マネージャの仕事はザツダン

山田さんがサイボウズを再生させるために始めたのが社員全員とのザツダン。かしこまったミーティングじゃなく、面談でもなく、本当に雑談をするための時間を取ったそうです。

そうしたことで、社内のことがよりよくわかるようになり、マネージャの怖さがなくなってきたというのは、とてもよくわかります。知らないから怖いだけなんですよね。だから管理したくなるのです。

私たちも「ふりかえり」という機会をつくっていて、仕事のふりかえりもしますが、そこで雑談も結構するのです。マネージャが頭の中だけで采配を考えるのではなく、報告や連絡を待つのではなく、生の情報が得られます。

報告や連絡、ヒエラルキー構造は、人数が多いのにツールもなかった時代のコミュニケーション手段に過ぎなかったのだな、と私は考えています。テレビ会議やチャットなどを使いこなせば、マネジメントは変わりますよね。

オープンさと質問責任するカルチャー

サイボウズのカルチャーの基本は、公明正大とのことで、情報を徹底的にオープンにしている。経営会議もほとんど議事録までオープンにされている。

オープンにしておくことで、不信感はなくなり、意思決定のプロセスも見える。社員は、それに対して質問する責任があるというのも面白いです。社員は聞きたいことは聞いて良いし、マネージャには答える義務があるというのは普通の会社とは逆な感じがあっていいですね。

思考プロセスを伝える、オープンにしていくために一生懸命にブログを書いているという話しも共感しました。

私も、長くブログを書き続けていますが、その目的の一つは社内へのメッセージでもあります。ブログにするときに他の人にも伝わるように抽象化することで、社員にも伝わりやすくなっているように思います。

これからのマネージャに求められるものは、テキストコミュニケーションの力というのはありそうです。

「みんな」や「会社」なんて存在しない

社員全員とのザツダンをしていったことで、「みんな」の感覚がなくなってきたというのも、非常にわかります。

私の場合、前職が大手システム開発の会社だったので、大きなプロジェクトになると当時エクセルで人の一覧管理をしていると、人の一人ひとりが見えなくて、ただの工数に見えてくることがあって、とても怖いな、と思ったものです。

マネジメントしていく上で、人間をひとまとめで扱おうとするのは、今の時代において悪手だと思います。多様性の時代だと感じるならば、そこにいる人も一人ひとり違っていて、それぞれに考えがあるのだと尊重すべきです。

「会社」というのもそうで、「会社を変える」「組織変革」みたいな言葉を使いたくなってしまいますが、実際は、そこにいる一人ひとりがいるのだから、会社なんて曖昧なものを捉えようとしない方がいいのです。

そうした考え方も、本書を読んで共感を覚えた部分です。

興味を持ったら、ぜひ上のリンクから買ってくださいね。

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本書の著者であるサイボウズ副社長の山田さんと私のオンラインでの対談が5/11の夜にあります。このnoteに書いたあたりを突っ込んでお話してみたいと思っています。

ぜひ、ご参加ください。

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