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そういえば、これまで優勝を目指すと言葉にして来なかった


もちろん、決して優勝したくなかったわけでも、する気がなかったわけでも無い。

それでも優勝を目指して頑張ります。とは言ってこなかった。


言ってこなかったというよりは、言えなかったのだ。

言葉に出した想いは強い。現実化するほどに強いエネルギーを持った言葉だから、これまでは優勝を目指すとアウトプットしていたらまた違う結果になっていたかもしれない。


ではなぜ言えなかったのか?

これはシンプルに実力が無かったからで、チームのためとかそんなことを考える余裕がほとんどなく、自分のことで精一杯だったからだ。
2020年の滋賀、2021年の福井の話をすると、どちらのシーズンも前半戦はほぼ試合に出ていない。

試合に出てない状態でチームの優勝を考えられるほどの度量は当時の自分には無く、自分が試合に出るために他の選手がヘマをすることを心の底から願っていた。アピールしてスタメンで使われるのでは無くて、今試合に出ている当落線上の選手が結果を出せなかった時に初めて次の試合でチャンスが来る。

もちろん、代わってチャンスをもらった身なので自分自身も当落線上な訳で、そこでアピールできなければ、次の試合からはまたベンチに戻って次のチャンスを待つことになる。監督によってはその試合の2打席だけで途中交代ということだってある。

そんな状況で自分はチームの優勝ということを目標にできなかった。もちろんこのメンバーで優勝したいという気持ちはあったけれど、自分の中の優先順位は低かった。

それに当時の自分は今よりもさらに自分に自信を持てなかった。それもそのはず、少年野球から高校野球までずっとベンチで、中学になって硬式野球を始めてからはずっとイップス。大学の野球部は2ヶ月で退部。高知では鬱になり、翌年のクラブチームでも試合には出られなかったのだ。

2020年はオドオドしながらプレーしていたし、試合で守備につくことさえ頑張って数えるほどしか出ていなかったため、守備につく際は常に吐き気がしていた。

@湖東スタジアム


滋賀でプレーしていた2020年には、試合経験を積んでいくうちに野球のやり方や守備のやり方を掴んできた。打者のスイングや配球などを考えてポジショニングもある程度取れるようになってきた。

この頃にはそれまでより落ち着いて守備につけるようになっていた。

@三国運動公園野球場


初めて優勝を目指すと言った時

これは2022年の9月に行われたクラブ野球の大会で、名前は忘れた。

2022年最後の大会で、今いるメンバーで戦う最後の大会だった。

それまでの大会ももちろん勝ちたかったけれど、これまでの自分の結果が不甲斐なくてあまり大口を叩く気にはなれなかった。

そしてようやく最後の大会を前にして、優勝を目指すと初めて口にした。


結果はというと1回戦で敗退した。たぶん。
個人の成績は4打数1安打2三振1失策

8回、芝に足を取られて転倒し、それがこの失策である。その後は奇跡的にチームのみんながカバーをしてくれてなんとか無失点で切り抜けた。

その後の攻撃では無死一、二塁のチャンスで打席が回ってきた。絶対に取り返そう。そう思って打席に立っていた。間違いなく1番気合が入った打席だったし、頭に血が昇っていたのは間違いない。冷静さを失った自分は3球三振した。

本当に悔しかった。悔しくてモノに当たるのはもちろんダメなことだとは思う。しかしその時の自分は反射的にバットを地面に叩きつけていた。

その時に「勝ちにこだわる」と言うことはこう言うことなのかと考えさせられた。今までの野球人生で間違いなく1番悔しい打席。あれだけ1打席に気持ちを入れてあれだけ悔やんだことは無かった。

モノにあたったことを美談にするつもりはないけれど、確実にその経験から学んだことはある。



そして2023年

自分は北九州フェニックスでリーグ優勝を目指して1年間やり抜くことにした。

そのためにも自分の実力が無いとただのビッグマウスで終わってしまうから、実力をつけられるようにも努力する。

正直、新人がこういう風に言うのはどうかとも思うが、それでも2023年のメンバーで戦うシーズンは泣いても笑ってもこの一年だけだから、優勝を目指すチームの一つのピースになれるように、少しでも貢献できるように、努めていこうと思う。

独立リーグも4年目。
練習生で、チームの失敗を誰よりも望んでいた1年目。
7勝47敗4分け。負けの味をこれでもかと言うほど味わった2年目。
チームの一員として試合に出て勝ちと負けを経験した3年目。

4年目の今年はどんなシーズンになるか。
大変なことはもちろんあると思うけれど、これまでの経験を活かして、また新しい経験として捉えてさらに成長できるようにしていこうと思う。



終わりに

高知での一年は、負けてほしかった。
滋賀での一年は、負けたく無かった。
福井での一年は、勝ちたかった。

自分のその時の力や立場で物事の見え方は変わるのだなと思います。

これまでの3年間は悔しいことばっかりでした。福井の時はちょこっといいところがあったけど。

今シーズンは25歳になるシーズンなので、自分の成績も大事にしつつ、チームや周りを見れるような余裕を持ってプレーできるように頑張ります。


今月末には福岡に入るので、いよいよだなと身が引き締まる思いです。ファンの皆さんも一緒に1シーズン戦ってくれたら嬉しいです。今シーズンも応援よろしくお願いいたします。

いつもありがとうございます。



藤原 蔵太

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