最初で最後の「配送戦士」①〜クビになってから開幕戦まで〜
2021年9月13日。
ワイラプの2021年シーズンが終了した。
来年からリーグ自体が新体制に変わるということで、おそらく最初で最後になるであろう「副業野球選手」としての一員になれた事はとても貴重な経験で、もしかしたらこの先もうニ度と経験する事は無いのだと思う。
思えばこのチームに来るきっかけになったのも、すべては滋賀をクビになったところから始まっている。
前にnoteにその時の心境などを書いたので、良ければ見てほしい。このnoteは3,000回以上読まれた自分の中で3番目に多く読まれた記事である。気になる人は上の画像を触ってみて欲しい。
クビの話。やっぱり人の不幸は蜜の味らしい。。。
そんな滋賀にいた2020年。本当にイヤになる程たくさん試合をした「福井ワイルドラプターズ」
同年のプレーオフ、福井vs富山では急遽YouTubeライブの解説を務めることになった。
さらに1年遡れば球団存続の署名活動をしていた時に私も横浜駅で署名をした。
そうなんです藤原。
福井球団と藤原はとてもご縁がある。
(と勝手に思い込んでいる)
そして。満を辞して(?)2021年のシーズンをワイラプの一員として迎えることになる。
それまでの過程を簡単に。
滋賀をクビになり次の所属先も見つからず、宙ぶらりんになっていた藤原は4年連続で合同トライアウトを受ける事に。
調整は万全。いざ会場の新潟へ。
結果は一次試験で落選。あの内容じゃ取るところはまず無い。それくらいに全てが赤点レベルで何もかもが上手くいかなかった。
それでも小松原さんがトライアウトが終わった後に声をかけてくださったおかげで練習生(C契約)という形で入団する事になった。
もう一度挑戦の場を与えてくれたこの球団には本当に感謝してもしきれない。
オフシーズンは開幕を必ず登録選手(A契約、B契約)として迎え、開幕スタメンを取ると決めて日々トレーニングに精を出した。
また、配送業務を行うことになるため1/20に運転免許も取得した。
2021年2月8日
入寮の日。雪が積もっていた。神奈川県出身の自分からしたらこんなに雪が降るのは大パニック。あたふた
免許を取って何週間かしか経っていないのに雪の降る福井まで横浜から7時間も運転してきた。過去の藤原よく頑張った。
それからは、まだ雪がちらつく2月の福井の街で初めての配送が始まった。
免許取りたてで雪道だよ?怖いやん。よく頑張った。自分の勤務することになったセンターの方もたくさん心配していた。
でもやっぱり、
やってみたら意外となんとかなる。
配送に入って1ヶ月ほど。仕事のシステムが分かってからは、開幕を登録選手として迎えられなければこのチームを辞めよう。と覚悟を決めた。
結果としてオープン戦ではホームランも打ち、開幕を登録選手として迎えることができた。
時は流れて
2021年4月9日 開幕戦前夜。
藤原は一度、死を覚悟します。
「あ。人ってこんな一瞬で死ぬんだな。」
ガシャーン!!!
開幕前夜。配送の仕事が終わった帰り道。
ご存知の人もいるかも「幾久南」の交差点。青信号を直進していた自分の車に前から右折車がドーン。
「走馬灯のように記憶が蘇る」という言葉はこの事か。と思った出来事。ぶつかる直前に大好きな人たちの顔が本当にフワッと浮かんできた。
自分の車はエアバッグが飛び出し、車内は焦げ臭いにおいと煙。死んだと思ったけど、生きてた。すごい。
すごいんだけど、開幕戦の前夜なのよ。
それに初めてのこと。どうしたらいいんだろう。警察呼んで、社長に連絡して、警察来て、現場検証して、みたいな。不安と恐怖と寒さで膝がぶるぶる震えながら電話をしてた。
免許を取って納車して3ヶ月。
自分の初めての車。親に27万借金して買った車。知り合い伝いで国分寺で買った車。初めての名義変更をした車。神奈川から7時間運転してきた車。。。
自分をほぼ無傷で守ってくれてありがとう。でもその代わりに前面は大破していた。
このことを忘れないために、レッカーされる前に写真を撮った。それがこの写真。
彼は自分の命の恩人(車)。守ってくれてありがとう。
さて。
レッカーされて帰る足が無いので、JFAM時代からお世話になってる先輩の笹林凌さんに迎えにきてもらった。本当に自分にとってこの人の存在は大きい。
開幕前の深夜0時。集合時間まであと8時間。そんな時に迎えに来てくれてありがとうございました。
そのあとは家に着いてもアドレナリンがフルMAXで恐怖と興奮で目がギンギン。寝たのは2時か3時ごろ。
もちろん事故の事を監督には報告した。だからもしかしたらこの事故がなかったら開幕スタメンだったのかも…
いや。無いか。そのあとも出てないしな。
翌日、4月10日
さぁ、いよいよ開幕だ!!!
というよりも、頭の中は事故と保険のことで頭がいっぱい。開幕した感じもなく、内容もほとんど覚えていないから印象にも残ってない。
唯一覚えてることと言えば
代打で出て、高校時代の同級生である滋賀ブラックスの吉村投手が投げた初球を打ち、バットが綺麗に三枚おろしになり、ボールは目の前にポトリと落ち、直後に転倒するというなんとも散々なできごと。
神様、俺が何かしましたか。
と言いたくなるほどこの24時間は散々なものだった。試合が始まる10時間前に事故にあい、ほとんど寝れず、迎えた開幕戦ではバットが三枚おろしになり、転倒。
試合後は携帯に5件ほど、保険会社と福井県警からの不在着信。頭が痛い。眠い。疲れた。
あ。でも明日守山の遠征だ。早く寝ないと。。。
「あぁ、もう今シーズンどうなっちゃうんだろ」
藤原の2021年シーズンはこんな形で幕を開けた。
次編に続く。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
長くなりそうだったのでシリーズのような形で分けることにしました。
続きも見てくれたら嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。
藤原 蔵太
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