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選択肢が多いと、かえって何もできない
最近読んだ写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの『見ることからすべてがはじまる』という本に、次の言葉が書かれていました。
重要なのは、最大限のものを成し遂げるためには、非常に限られた手段を用いなければいけないということです。それが理由で私は、ひとつのカメラとひとつのレンズしか持ち歩きません。最大限のものを得るためには、手段を減らさなければいけないのです。
良い写真を撮るためには手段を限定し、「ひとつのカメラ」と「ひとつのレンズ」で撮るということですが、10年以上前の私は全く反対のことをしていました。
その証拠写真がこちらです。
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「あー、恥ずかしい」
いかなる時にも対処できるようにと、カメラを3台持ち歩いていたのですが、振り返ってみるとカメラの切り替えタイミングでシャッターチャンスを逃しまくりで何もできなかったです。
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ちなみに、持ち歩いていたカメラとレンズは次の通り。
①左手 :Nikon EM(フィルムカメラ)+ AI AF Nikkor 50mm f/1.4D
②肩掛け:Nikon D40 + AI AF Nikkor 35mm f/2D
③バッグ:Nikon D40 + AI AF Nikkor 24mm f/2.8D
比較的小型のカメラと単焦点レンズの組み合わせですが、重さを合計すると「2.115kg」とそれなりの重さになります。これじゃ体に負担がかかり、撮影に集中することもできないです(当時は若さでなんとかカバー)。
アンリ・カルティエ=ブレッソンの本からの気づき、そして過去の自分の経験から学び、今では「ひとつのカメラ」と「ひとつのレンズ」で軽快に撮影するようにしています。