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めんどくさくする、を深めて

今回は、前回のnoteで書いた「めんどくさくする」を深めてみたいと思います。まだまだスッキリと書けないかもしれませんが、読んで感想などいただけたら嬉しいです。

めんどくさくする、を具体的に

めんどくさくする、はこの場合「つながり」をイメージしていますが、その「つながり」の具体例としてSDGsを思い出しました。https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

持続可能な開発目標(SDGs)とは
開発アジェンダの節目の年、2015年の9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(英語・日本語(外務省仮訳))が採択されました。

国際連合広報センターWebサイトより

みなさんもこのSDGsのロゴは見たことがあると思います。

SDGsで設定された17つのアジェンダ

このロゴマークをデザインしたのはクリエイティブディレクター のヤーコブ・トロールベック氏。国連からの依頼に対して「複雑な内容をいかに分かりやすくし、言葉から行動につなげる」ということをベースにデザインしたそうです。そしてこの右下の円形のロゴについて、

17色の円形のロゴについては、「すべての目標が一つになり、統合されている印象を与えられる、太陽のような形状のものにしたかった

Sustainable Brains Webサイトより

と説明しています。これがまさに「つながり」の具体例として挙げたかった理由です。

例えば、「4. 質の高い教育をみんなに」というアジェンダに対して「よし!iPadを配ってどこに住んでいても学習コンテンツにアクセスできる環境を構築しよう。」と考えるのは簡単です。しかし、教育を受けられない理由は様々で、、、

  • 毎日往復6時間かけて水を汲みに行っているから、そもそも勉強する時間がない。(6.安全な水とトイレを世界中に)

  • 親世代が貧困で、そもそも勉強の機会が与えられない。(1.貧困をなくそう)

など状況は複合的です。

つまり、目の前の事象に対して解決策を考えて実施するのではなく、様々な事象を「システム」として捉え、その「システム」に対してどのようにアプローチしていくか?が大切になります。これがまさに「システム思考」といえるでしょう。(もちろんここで言う「システム」とは「ITシステム」のことではなく、「様々な要素が関連し合っている全体像」のことを指します。)

要素還元でもない

もう一つ「めんどくさくする」=「つなげる」=「システム思考」が大事であるポイントとして、「各要素の合計が、必ずしも全体を表すとは限らない。」ということです。

「システム思考」で考える時に、「そうは言っても、ひとつひとつ解決していかなきゃ、全体の解決なんて実現できないのでは?」という疑問が湧きます。もう少し具体例で見てみましょう。

Excelのマクロはその「とっつきやすさ」と「複雑なことまでできる機能」によって、しばしば「属人化の温床」として槍玉に挙がります。

「マクロは属人化の温床」派にとっては

マクロは属人化の温床になって誰もメンテナンスができなくなる!マクロは悪!
マクロなんて中途半端なもので構築するなら、ちゃんとシステムを作るべきだ!

Webのどこか

という意見が出ますし、

「マクロを活用したい」派にとっては

マクロを少しも理解しようとしないで、スキルの低い人・やる気のない人に合わせたら組織はダメになってしまう!
こんなに高度なマクロを作っているのに全く評価されない!ヒドイ会社だ!

Webのどこか

という意見が出ます。

これは、どちらも正しいと言えますし、どちらも間違っていると言えます。両者に欠けている視点が「システム思考」による視点です。

つまりどちらの派閥でも「このExcelではマクロを使うべきか?」という、すごくピンポイントな作業についての議論に終止しており、その前後の業務プロセスや、会社のITリテラシー、マクロの育成体制などの視点が抜けています。(「Excelでマクロを使う」という議論の範囲を極小化し、絶対的に正しい答えを導こうとしているように見えます。)

これを「システム思考」的に考えると、「その業務の全体の流れを良くするために、このExcelではマクロを使うべきか?」となります。
例えば、その業務に変わるメンバーが全員ツヨツヨエンジニアでExcelなんてチョチョイのちょいだぜ!って感じならガンガンマクロを使えば良いと思いますし、
逆にExcelマクロをメンテナンする人もいないし、めっちゃ高度なマクロを使っても業務が楽になるのは当の本人だけ、と言う場合はマクロを使わないほうが良いでしょう。

TOC(制約条件理論)的に言えば「システムの強さは、システムの一番弱い部分に 収束する」となります。システム全体を見極めて議論する必要があるのです。

この考え方は自然界の考え方にも通ずるようです。

社会の真の価値は、そのなかのもっとも弱いメンバーをいかに守るかによって決まる

ペーター ヴォールレーベン. 樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声

というわけで、全てを分解して考えるのは一見わかりやすく、答えが出やすそうですが、本来物事はつながっているし、そのつながりを無視しては、ただしい判断はできないかもしれません。

この話、もう少しで「めんどくさい」と言うところまで行けそうですので、その思考の途中も含めて書いていきたいと思います。(めっちゃしっくり来るツイートをもらったのもある。)

おまけ

以前勢いで作ったボトルネックスタンプはこちらです笑

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