「労働者協同組合」ってなんだ?
今回は、最近わたしが知った「労働者協同組合」について、わたしが知っている範囲の情報を整理するのと、どの辺りに可能性を感じているかを書いてみたいと思います。
まだまだ勉強中ですので、間違いや疑問点があれば是非コメントで教えて下さい🙇
労働者協同組合とは
労働者協同組合(ワーカーズコープ)とは、「市民が主体者として、協同・連帯して働く協同労働をするための団体」で、2022年10月に施行された「労働者協同組合法」によって法人格が与えられるようになりました。
この労働者協同組合法(労協法)の目的は、以下の3点に集約されます。
組合員が出資し、意見を反映し、働くことを基本原理とする組織
それにより多様な就労の機会を創り出し、地域の多少な需要に応じる
その結果として、持続可能で活力のある地域社会を実現する
労働者協同組合法の第一条「目的」を引用します。
この目的を実現するために「組合員が出資する」「ひとり一票の議決権をもつ」「組合員の意見をどのように事業に反映するかを定款に明記する」などのルールが定義されています。
ちなみに、企業内の労使交渉を行う「労働組合」とは異なります。名前が似てるので最初わたしも勘違いしました😅
NPOとの違い
先日のワーカーズコープ フォーラムではNPOの違いについても説明がありました。
NPO
「認証主義」必要な書類を提出して認証を受ける必要がある。
出資ができない。寄付などで資金を集める。
労働者協同組合
「準則主義」法律で設定された条件を満たせば申請した段階で設立する。
組合員が出資する。
とはいえ、NPOと労働者協同組合は、地域や社会課題の解決を目指すという意味では基本的に似ているのではないでしょうか。
倉林が個人的にNPO(はもとより、企業のCSR活動)との違いを感じているのは「組織構造」の部分です。
NPOは、収益を分配することを目的としない、組織構造は資本主義のそれとおなじ(出資、意思決定、指示命令系統、など)
労働者協同組合は、収益を分配することを目的としない、組織構造が資本主義のそれと違う(全員出資、ひとり一票=対等な立場、など)
組織構造が違えば、それによって生み出されるアウトカムも異なるし、そこで働く人達のマインドも変わってくるのではないでしょうか。フォーラムの中では「労働者協同組合で働く人は、職場や働くことに関して良い印象を持っている」という話も出ており、ここにヒントがありそうです。
可能性を感じるところ
今回紹介した「労働者協同組合」は、働く人自らが出資者となって、自らが何を事業とするか?を考え、自らがその事業に携わる、ということが特徴です。この特徴によって、名実ともに仕事を「自分ごと」にできるところに大きな可能性を感じています。
こちらのTEDでも言及されていますが、近年「働くこと」や「仕事」が「誰かから与えられるもので、でも生きるためにいやいや仕方なく我慢しながらするもの」に成り下がってしまっています。。。
これは寂しい…。
本来、働くとは「傍らを楽に」と言う意味だったり、仕事Businessの語源は「Care」だったり、人間が社会で生きていく上で人と関わっていくという喜びだったりすると思うのですが、そう言うことがすっぽり抜けてしまっている気がします。
しかし、この労働者協同組合に関わることで、本来の「仕事」を自分たちの手に取り戻すことができるんじゃないかと思いました。
協同労働の協同組合宣言
最後に、法案づくりに当事者団体として関わった日本労働者協同組合連合会(労協連)が出した「協同労働の協同組合の原則」の中での「宣言」を紹介します。
労働者協同組合については、引き続きいろいろと調査をしながらまたnoteで発信していきたいと思います。
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