妄想に依存しても現実は変わらない
現実逃避をしたことがあるでしょうか。私はあります。そして手段は、「妄想に浸る」ということをしていました。「妄想依存」と言っても良いくらいに私は妄想の世界を作り続けてきましたが、妄想では現実は変わりません。
当たり前のことなんですが、それでも止めることができなかったんです。
具体的にどのような世界を妄想していたかというと「完全に自分に都合の良い世界」です。その世界では誰もが私を賞賛してくれています。どんな困難な出来事があっても、「少年漫画の主人公のように最後は華々しく解決してみせ」、そんな世界が大好きでした。しかし妄想から現実に戻ると強烈な虚しさに襲われます。
「妄想の世界と現実のギャップ」に目を背けたくなるほどです。そして虚しさから逃げるために、また妄想の世界に逃げていくのです。
私はある時気付きました「妄想を続けていても100%幸福にはなれない」のです。
妄想の世界は本当に素晴らしいです。「自分にとって都合の良い人間関係」「何もかも上手くいく仕事」、まさしく完璧な世界です。一度入り込んでしまうと、抜け出せなくなってしまうのも自然なことです。
妄想に依存することで起こる悪影響は大きいです。まず、「時間を大量に無駄にする」ということです。妄想に浸っている時間は、自分の脳内でただただ都合の良い妄想が再生されているだけのため、自己の成長にも繋がりません。
気が付いたら妄想に浸って時間を無駄にしたとういう経験が多い私にとっては、人生のどれだけの時間を無駄にしたかもわかりません。
そして妄想依存の最大の問題点は、「解決する力を失う」ということです。先程から言っている通り、妄想の世界は自分の思い通りになります。つまり「困難なこと」というのは基本的には存在しないのです。あったとしても「解決できることがわかっている」ことだけが起こります。
そんなことを繰り返していると、自然と「問題を解決する力」を失ってしまうのです。逆に「解決できるかわからない問題」から逃げるために、また妄想の世界に駆け込むことになります。
妄想に依存していく根本的な問題は「ストレス」にあります。人間はストレスのかかった状態から解放されるために、食事をしたり眠ったり、趣味に興じます。妄想にも同じような理由で依存してしまうのです。
ストレス発散の範疇で妄想しているくらいなら良いのですが、「自分でコントロールできていない」と自覚がある場合はかなり危険な状態です。妄想が無意識レベルになっており、頻繁に妄想して悪化すると「現実と混同」してしまうことすらあるでしょう。
現実の幸福を手に入れるために、「現実を生きる」しか方法がありません。妄想に逃げていても、手に入るのは「一時の安らぎと大きな虚しさ」だけなのです。
現実から逃げてはいけません。「辛い現実から目を背けたい」と逃げ始めると、どんどん妄想と現実は離れていきます。そして虚しさも大きくなっていくのです。
自分のために妄想依存からは抜け出す必要があります。それではどうすれば「妄想を止めることができる」のでしょうか。
大切なのは「妄想している」という自分を認めることです。現実が受け入れられない人は「現実を誤認」し始めるようになります。妄想の世界のはずなのに「現実もそうかもしれない」と本気で思い始めてしまうのです。
そして思い通りにいかない現実を「拒否」するようになります。
そうしながら一生自分の作った妄想の世界から抜け出すことができなくなってしまいます。
現実と妄想をしっかりと分けて、「自分は妄想をしているんだ、現実とは違う」ということを心に刻み込んでください。まずはこれをしなければ何も変わりません。
自分が妄想していることを認めて、現実との違いを受け入れられるようになったら、現実をどうしたいかを考えましょう。
今まで「仕事が上手くいっている妄想」をしてきた人は、現実でもそうしたいと考えているはずです。そして、実際に行動することが必要になります。
現実では上手くいかないこともたくさんあるかもしれません。それが恐くて妄想に逃げていたわけですから、簡単には向き合えないかもしれませんが、上手くいかないことはそこまで恐ろしいことではないのです。
むしろ「上手くいかないくらいが普通」と割り切ると、色々なことに実際に挑戦できるようになります。やってみるとわかることですが、妄想では絶対に味わえない充実感が確実にあります。
私も長年妄想の世界に逃げていたため、妄想世界がどれだけ居心地が良いかわかっています。そして、現実を直視することが勇気のいることだということもわかっています。
「妄想で良いじゃないか」と思う気持ちもわかります。実際に少しくらいの妄想に浸るのは悪いことではありません。
それでも依存してはいけないのです。生きるということは現実のことなのです。自分の頭の中で作った世界には限界があります。一生懸命そこにいることはできません。
妄想から解き放たれて、現実世界で妄想に負けないほどの人生を歩みましょう。
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