我々は食べ過ぎているので、16時間断食をするべきである

糖質制限やファスティングなど食にまつわる健康法は非常に増えました。私たちの健康が食に影響されていることは間違いありませんが、「一体何をどうすれば一番良いの」というのが飽食の時代を生きている我々現代人の抱える悩みではないでしょうか。日本は先進国であり食べ物も非常に豊かで飢餓で苦しむ人というのは人口の割合で言うと少ないです。何でも食べられる状況だからこそ、何を食べたら良いのか悩み、食べ物の誘惑が強いわけです。

糖質制限とは当然糖質を控えようというダイエット方法の一つですが、実は糖質制限はかなり難しいです。何故ならば糖質制限をする上で控えた方が良いと言われる糖質は、精米、小麦粉、砂糖であり、これらを控えるのは食事そのものを控えなければいけなくなるからです。米は玄米の方が良いですが、玄米は精米よりも高価であり「美味しくない」という意見が多くなります。さらに、砂糖は完全に控えようと思うと、コンビニやスーパーに売っている食品の大半は食べることができないということになるのです。そんなことができるでしょうか、極めて難しいのです。

また、ファスティングについても一般的に生活している人からすれば難しいものになります。ファスティングは断食することですから、始める際には準備食を用意して、終わったら回復食を食べてとしなければいけません。さらにファスティング中は酵素を摂取した方が良いと言われていますが、酵素ドリンクも安くはないため、実践が難しいという人がいます。ファスティングは糖質制限よりは実践する難易度は低めですが、それでも現実的に難しいという方も多いでしょう。

糖質制限とファスティング両方に言えるのが、ストレスを抱えやすいことです。糖質制限はリバウンドと可能性が高く、甘いものが大好きだった人が糖質を控え出すと禁断症状が出るほど強烈に糖質が欲しくなります。そして一度その誘惑に負けてしまったら止めることができなくなります。結果として糖質制限をする前よりも太ったり体調を崩すことにもなりかねません。ファスティングも当然お腹が空きますから楽しむことは難しいですし、何よりも準備食と回復食は極めて質素なものにする必要があるため、食を楽しむことはできません。

人間にとって食は快楽の一つです。お腹が空いているときに食べ物を見ると脳内ではドーパミンが分泌されます。生物にとって栄養を摂取することは生存するために不可欠なため、本能に「食は幸せ」とインプットされているのです。

それでは食とどう向き合うのが正しいのかいうと、プチ断食と言えるでしょう。正確には「16時間断食」です。16時間という期間には確かな理由があります。それが、「オートファジー」です。オートファジーとは、体内に組み込まれている、細胞内のたんぱく質を分解する仕組みです。そのオートファジー機能が発動するためには、16時間の断食期間が必要なんです。オートファジーとは体内で何が起きるのかというと、16時間体内にカロリーが入ってこないと体は「栄養が必要だ」となるわけです。そして体外から食べ物(栄養)が入ってこないため、自分で体を動かすためのエネルギーを生み出してしまおうということなんです。しかもこの時体内の「古くなったたんぱく質」や「異常性のあるたんぱく質」を消費してくれるんです。結果的に細胞から綺麗にすることができるということなんですね。

当然ですがお腹は空きますが、16時間食べなければ後は食べても大丈夫なんです。糖質を気にする必要が全くないとは言えませんが、ある程度栄養バランス(PFCバランス)を考えていれば、自分の食べたいものを食べましょう。さらに16時間と聞くと物凄く長いように感じるかもしれませんが、睡眠時間を含めても良いため、20時に食事が終わっていれば、次の日の12時のランチからは食事をしても良いのです。20時までは食べたいものを食べて大丈夫なんです。

これなら糖質制限ダイエットやファスティングができなかった方でもできるのではないでしょうか。どうしても辛くなったらナッツ(素焼き)は食べても良いため、軽く食べましょう。私の実体験として、私は痩せました。今まで1日3食食べていた方が16時間断食をすると、周りが驚くほど痩せる可能性もあるでしょう。

日本人が当たり前のように食べている「1日3食」は圧倒的に食べ過ぎなのです。元々江戸時代頃までは1日3食食べていたわけではなく、明治維新の頃から食べるようになったと言われています。西洋の高カロリーの食べ物は確かに美味しいです。美味しすぎておかしくなりそうですが、糖質や脂を人間の快楽物質に叩きつけているため依存してしまい離れられなくなってしまうんです。そしてみんな太っていきます。若い頃は太っていても何とかなるかもしれませんが、年齢を重ねるごとに確実に体への悪影響は表れます。残念なことに若いうちというのは、元気なためそういった自分の体に蓄積されている危険な食べ物に無頓着なんです。

今と同じようにバクバクの好き放題食べていれば、近い将来胃腸や肝臓が悲鳴をあげることでしょう。そうなる前にできることをやっておいてください。糖質制限やファスティングが自分に合っているならそれでも構いません。合っていないならプチ断食をしてみましょう。その他自分に合っているならやり方ならなんでも良いですが、食べないという選択をとってみてください。今までの自分に「なんでそんなに食ってるんだ」とツッコミを入れたくなりますよ。

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