しらたま

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第二章 カウンターの男

 グリーンの扉を開くと、そこは細長い階段だった。扉は店の入口と思っていただけに拍子抜けする。壁は扉と同じグリーン。階段は木目調で急なために左側には手すりが付けら…

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1年前
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第一章 沈黙読書会

 私はその日、神楽坂にいた。  神楽坂には研修のために数日通ったことはあるが、地理に明るいわけではなく、地図も見ずに勘で動いて目的地とは反対方向へ行くという特技…

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2年前
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第二章 カウンターの男

第二章 カウンターの男

 グリーンの扉を開くと、そこは細長い階段だった。扉は店の入口と思っていただけに拍子抜けする。壁は扉と同じグリーン。階段は木目調で急なために左側には手すりが付けられている。
 階段をおよそ一階分のぼりきると再度扉が現れた。この扉を開いたらまた階段が……というような舞台を前に観た気がするが実際に扉を開けば「いらっしゃいませ」と怪しげなほほ笑みを浮かべたマスターとL字のカウンターの片隅に座る一人の男性客

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第一章 沈黙読書会

第一章 沈黙読書会

 私はその日、神楽坂にいた。
 神楽坂には研修のために数日通ったことはあるが、地理に明るいわけではなく、地図も見ずに勘で動いて目的地とは反対方向へ行くという特技を持つ私は飯田橋の地下道を出たところで手帳を開いた。
 手帳にはこれから訪ねる場所の店名と簡単な地図が書かれている。自分で書いたものなのであまり信用はしていないが、今頼れるものはこれしかない。
 坂の入口で不二家のぺこちゃんが出迎えてくれた

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