【数学】A^3=Aとなる行列で、A^2=IでもA^2=Aでもないものは存在するか?
ある数学のPostがX(Twitter)に流れてきた。
確かにこれは気になる。
行列 $${ A }$$ が $${ A^3 = A }$$ となる場合の性質について考えてみる。
具体的な行列例
まず、簡単な例から見ていく。
$${ A^3=A }$$を変形して、
$$
A^3 - A = 0
$$
$$
(A - I)A(A + I) = 0
$$
これにより、以下の3つの行列がこの性質を満たすことがわかる。
- 零行列 $${ O }$$
- 単位行列 $${ I }$$
- 単位行列に -1 をかけたもの $${ -I }$$
さらに、$${ A^3=A }$$を満たす行列は固有値が $${\lambda = -1, 0, 1}$$ のどれかであることがわかる。
対合行列
$${ A^2 = I }$$ であると仮定すれば、
$$
A^3 = A^2A = IA = A
$$
が成立する。$${ A^2 = I }$$を満たす行列を 対合行列 (involutory matrix) という。
※これを見ている数学を学んだ方がいたら、Wikipediaのinvolutory matrixの記事の和訳への協力をお願いします
具体例
$${\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}}$$
$${\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}}$$
対合行列である実二次正方行列の一般的な例として、$${a^2 + bc = 1}$$ かつ $${d = -a}$$ を満たす、または $${ (\pm 1) \times }$$ 単位行列がある。
冪等行列
$${ A^2 = A }$$ であると仮定すれば、
$$
A^3 = A^2A = AA = A
$$
が成立する。 $${ A^2 = A }$$ を満たす行列を 冪等行列 (idempotent matrix) という。
具体例
$${\begin{pmatrix} 3 & -1 \\ 6 & -2 \end{pmatrix}}$$
冪等行列の詳細な解説についてはWikipediaに譲るが、この行列の性質は今後の話に関連するため、理解しておくと良い。
単位行列 $${ I }$$ や $${ -I }$$ は対合行列であり、零行列 $${ O }$$ や単位行列 $${ I }$$ は冪等行列である。
第三の行列例
では、対合行列でも冪等行列でもない行列で、$${ A^3 = A }$$ を満たすものは存在するのであろうか?
そのような例をいくつか見つけたので挙げてみる。
例1
$${ B = \begin{pmatrix} -1 & 7 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} }$$
これは対合行列でも冪等行列でもない。
$$
B^2 = \begin{pmatrix} 1 & -7 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} = -B
$$
$$
B^3 = B^2 \cdot B = \begin{pmatrix} 1 & -7 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} -1 & 7 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -1 & 7 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} = B
$$
これは $${ B^3 = B }$$ を満たす行列の例である。
WolframAlpha での確認
例2
$${ C = \begin{pmatrix} 2 & 2 \\ -3 & -3 \end{pmatrix} }$$
これも同様に $${ C^3 = C }$$ を満たす。
$$
C^2 = \begin{pmatrix} -2 & -2 \\ 3 & 3 \end{pmatrix} = -C
$$
$$
C^3 = \begin{pmatrix} 2 & 2 \\ -3 & -3 \end{pmatrix} = C
$$
WolframAlpha での確認
このように、どちらも$${ A^2 = -A }$$を満たす行列となっている。
$${ A^2 = -A }$$を満たす行列に一般的な日本語名はなさげだが、
”anti-idempotent matrix”
と呼称している数学者の方々がいらっしゃるので、ありがたく使わせて頂く。
参考:
※”anti-idempotent”の気の利いた日本語訳を考えていたが、「逆冪等*」だと絶対値最小の固有値を求める「逆冪乗法」とややこしいので、「反冪等*」と個人的には呼びたい。ただ、両方とも用例は無いので、数学者の方がいたらぜひanti-idempotentの和訳をつけて欲しい。
anti-idempotent matrixの性質
基本的な性質
$${ A^2 = -A }$$ を満たす anti-idempotent matrix の性質として、
$${ A(A + I) = O }$$ なのだから固有値は $${ \lambda = 0 \text{ or } -1 }$$ に限られる。
行列式 $${ \text{det} A }$$ についても $${ A^2 = -A }$$ より
$$
(\text{det} A)^2 = (-1)^n \text{det} A
$$
$$
\text{det} A = 0 \text{ or } (-1)^n
$$
($${ A }$$ は $${ n }$$ 次正方行列とする)
となる。
そもそも $${ \text{det} A }$$ は全ての固有値の積なのだから、$${ \text{det} A \ne 0 }$$ を仮定すると全ての固有値も $${ \lambda \ne 0 }$$ とせざるを得なくなり、$${ \lambda = -1 }$$ で重解かつ $${ \text{det} A = (-1)^n }$$ となる。
また、anti-idempotent matrix の特別な例として $${ A = -I, O }$$ があることは常に留意すべきである。
anti-idempotent matrix は冪等行列と同様に対角化可能である。
正則な anti-idempotent matrix
anti-idempotent matrix のうち、正則なもの(逆行列が存在、行列式が0でない)はただ一つしかなく、それは $${-I}$$ である。
$${ A^2 = -A }$$ に $${ A }$$ の逆行列を左右どちらからでもよいので掛けると、
$${ A = -I }$$ になることからわかる。
2次正方行列の場合
2次正方行列での anti-idempotent matrix の一般解は、冪等行列と同じ議論をすればよい。
2次正方行列 $${ A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} }$$ としたとき、
$$
A^2 = \begin{pmatrix} a^2 + bc & b(a + d) \\ c(a + d) & bc + d^2 \end{pmatrix}
$$
となる。
ここで、$${ A^2 = -A }$$、変形して $${ A^2 + A = O }$$ の各成分を比較すると、
$$
a^2 + bc + a = 0
$$
$$
b(a + d + 1) = 0
$$
$$
c(a + d + 1) = 0
$$
$$
bc + d^2 + d = 0
$$
よって、トレースの値が $${ a + d = \text{tr}(A) = -1 }$$
または($${ b = c = 0 }$$ の対角行列かつ $${ a = 0 }$$ または $${ -1 }$$ かつ $${ d = 0 }$$ または $${ -1 }$$)である。
これらで十分ではなく、更に行列式の値から
$$
\text{det} A = ad - bc = 0 \text{ or } 1
$$
を満たさなければならない。
そんな対角行列の例は $${-I}$$ と零行列 $${ O }$$ と $${\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}}$$ と $${\begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}}$$ しかなく、これらは $${ O }$$ 以外は $${ A^2 = I }$$ を満たす対合行列なので面白くない。
一方、$${ a + d = -1 }$$ かつ $${ ad - bc = 0 }$$ または $${ 1 }$$ の場合、$${ d = -1 - a }$$ より、
$$
ad - bc = -a - a^2 - bc = - (a^2 + bc + a)
$$
$$
\text{det} A = 0
$$
となる。ゆえに、トレース $${ \text{tr}(A) }$$ が $${ -1 }$$ かつ行または列ベクトルが線形従属になっていればよい。
$${ b = 0 }$$ とすると $${ ad = 0 }$$ または $${ 1 }$$ より対角行列の例と変わらなくなる。
$${ b \ne 0 }$$ とすれば、
$$
c = -\frac{a(a + 1)}{b}
$$
となる。すなわち、
$$
A = \begin{pmatrix} a & b \\ -\frac{a(a + 1)}{b} & -1 - a \end{pmatrix} \quad (b \ne 0)
$$
は対角行列でない anti-idempotent matrix の 2 次の一般解である。
A^3 = A にそれ以外の解はあるのか
さて、anti-idempotent matrixの性質を見てきたわけだが、$${ A^3 = A }$$ の行列の式にその他の解はあるのだろうか。対合行列でも冪等行列でもanti-idempotent matrixでもない、$${ A^3 = A }$$ を満たす行列は存在するのだろうか?
もう一度、$${ A^3 = A }$$ の仮定のみをして考える。まず、スカラー $${ k }$$ を用いて $${ A^2 = kA }$$ の形の行列の場合、
$$
(k^2 - 1)A = O
$$
より、$${ A = O }$$ または $${ k = \pm 1 }$$ といえる。
次に、$${ A^2 = kI }$$ の形の行列の場合、
$$
kA = A
$$
より、$${ A = O }$$ または $${ k = 1 }$$ である。
また、$${ A = kI }$$ の形の行列(スカラー行列)ならば、
$$
(k^3 - k)I = 0
$$
より、$${ k = -1, 0, 1 }$$ となる。それは $${ A = \pm I, O }$$ となり、どれも対合行列である。整理すると、零行列 $${ O }$$ でない正方行列 $${ A }$$ が $${ A^3 = A }$$ を満たすとき、スカラー $${ k }$$ について、
$${ A^2 = kA }$$ → $${ A^2 = \pm A }$$
$${ A^2 = kI }$$ → $${ A^2 = I }$$
$${ A = kI }$$ → $${ A = \pm I }$$
となる。$${ A^2 = I }$$ が対合行列、$${ A^2 = A }$$ が冪等行列、$${ A^2 = -A }$$ がanti-idempotent matrix なので、そうでない解を考える必要がある。
ここで、$${ A^3 = A }$$ の両辺に$${ A }$$を掛けて $${ A^4 = (A^2)^2 = A^2 }$$ となるので、$${ A^2 }$$ という行列単体で見れば冪等行列であることがわかる。
$${ A^2 }$$ が冪等行列であることにより、$${ A^2 }$$ の固有値を $${ \lambda' }$$ とすると $${ \lambda' = 0 }$$ or $${ 1 }$$ であり、行列式も $${\text{det}(A^2) = 0 }$$ or $${ 1 }$$ である。ただし、冪等行列のうち正則なものは単位行列 $${ I }$$ に限られるので、それは $${ A^2 = I }$$ であり、$${ A }$$ が対合行列となってしまう。今回は $${ A }$$ が対合行列でない場合を考えると、$${ A^2 }$$ は正則ではなくなり、$${\text{det}(A^2) = 0 }$$ を満たし、固有値に少なくとも1つは $${ 0 }$$ が存在することになる。 $${\text{det}(A^2) = 0 }$$ から、$${\text{det}(A^2) = (\text{det} A)^2 }$$ より $${\text{det} A = 0 }$$ が導出される。すなわち $${ A }$$ は正則でない。
また、$${ A^2 }$$ が冪等行列であることから、$${\text{tr}(A^2) = \text{rank}(A^2) }$$ となる。
2次の正方行列の場合
2次正方行列の場合であれば、ケイリー・ハミルトンの定理から
$$
A^2 - (\operatorname{tr} A)A + (\det A)I = O
$$
より
$$
A^2 = (\operatorname{tr} A)A - (\det A)I
$$
となるが、もし $${\det A = 0}$$ ならば $${A^2}$$ が $${A}$$ のスカラー倍ということになってしまい、それは冪等行列か anti-idempotent matrix しかない。
ゆえに $${\det A \neq 0}$$ の場合を考えるしかなくなるが、それは $${A}$$ が対合行列でなければ $${\det(A^2) = 0}$$ であることと矛盾する。
ということで、 $${A^3 = A}$$ を満たす2次正方行列は、対合行列・冪等行列・anti-idempotent matrix のどれかである。
3次の正方行列の場合
3次正方行列には実は解が存在する。ケイリー・ハミルトンの定理より、
$$
A^3 - (\operatorname{tr} A)A^2 + cA - (\det A)I = O
$$
(c は A の2次の小行列式の和。要するに A の成分から計算できる値)
$${ A^3 = A }$$ より
$$
(\operatorname{tr} A)A^2 = (c + 1)A - (\det A)I
$$
で、 $${A}$$ が対合行列でなければ $${\det A = 0}$$ より、
$$
(\operatorname{tr} A)A^2 = (c + 1)A
$$
となる。 $${A}$$ のトレースが $${\operatorname{tr} A = 0}$$ でなければ $${A^2}$$ が $${A}$$ のスカラー倍なので、それを満たす $${A^3 = A}$$ となる行列は冪等行列と anti-idempotent matrix しかない。
なので $${A}$$ のトレースが0ということになり、固有値は $${\lambda = -1}$$ または $${0}$$ または $${1}$$ のどれかであったので、3つの固有値の合計 ($${\operatorname{tr} A}$$) が0になる解の組み合わせは $${-1, 0, 1}$$ しかないため、そのまま $${(-1, 0, 1)}$$ の3種が $${A}$$ の固有値ということになる。
そういった行列は存在する。例えば、
$$
\begin{pmatrix} -1 & 3 & 5 \\ 0 & 0 & 7 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}
$$
$$
\begin{pmatrix} 0 & 0 & 0 \\ \sqrt{3} & 1 & 0 \\ 5 & \pi & -1 \end{pmatrix}
$$
$$
\begin{pmatrix} 3 & -4 & -2 \\ 0 & 0 & 0 \\ 4 & -5 & -3 \end{pmatrix}
$$
であれば、対合行列でも冪等行列でも anti-idempotent matrix でもないが、3乗すれば元の行列に一致する。
固有値が決まっているため、ジョルダン標準形の一例 $${J = \begin{pmatrix} -1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}}$$ を、任意の正則な3次の正方行列 $${P}$$ を用いて
$$
A = PJP^{-1}
$$
と仮定すれば、 $${J^3 = J}$$ より、
$$
A^3 = PJ^3P^{-1} = PJP^{-1} = A
$$
が成立するため、 $${A = PJP^{-1}}$$ も $${A^3 = A}$$ を満たす行列となる。
4次以上の正方行列について
4次以上の正方行列についても $${A^3 = A}$$ を満たすものはどうだろうか?
少なくとも、
$$
\begin{pmatrix} \text{3乗したら元に戻る行列} & O \\ O & \text{3乗したら元に戻る行列} \end{pmatrix}
$$
の形に分割できる行列ならば、3乗すれば元の行列に戻ることはわかる。極端な例でいえば、
$$
\begin{pmatrix} -1 & 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & -1 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}
$$
のように、対角成分が $${-1, 0, 1}$$ で構成されている対角行列であれば必ず $${A^3 = A}$$ を満たす。このような $${D^3 = D}$$ を満たす対角行列を $${D}$$ とおくと、 $${A = PDP^{-1}}$$ として $${A}$$ が対角化可能ならば、その行列は $${A^3 = A}$$ を満たすと言えるだろう。
ただ、4次以上の正方行列についても、ジョルダン標準形 $${J}$$ を用いて
$${ A^3 = A }$$となるような解が
$$
A = PJP^{-1}
$$
の形で構成できる気がするが、
$$
A^3 - A = P(J^3 - J)P^{-1}
$$
であり、これが必ず $${O}$$ になるかは自信がない…
答え合わせ
ということを調べていたら、 $${A^3 - A = O}$$ のような行列多項式方程式について詳しく書かれている記事を見つけた。
最高次数の係数が1の多項式 $${g(x)}$$ を考えて、
$$
g(A) = O
$$
を満たす最小の次数のものを $${A}$$ の最小多項式 $${g(x) = \varphi_A(x)}$$ というらしい。例えば今回の $${A^3 = A}$$ の場合、
$$
\varphi_A(x) = x^3 - x
$$
となる。
$${(B - 2I)^2 (B + 3I) = O}$$ のように重解となる場合、
$$
\varphi_B(x) = (x - 2)(x + 3) \text{or} (x - 2)^2 (x + 3)
$$
が最小多項式となる。これは具体的な $${B}$$ の成分によって変わる。
最小多項式$${ \varphi_A(x) }$$が0となる解を $${x = \alpha_i}$$ とおくと、
$$
A = \alpha_i I
$$
の形、または、
$$
A = PJP^{-1}
$$
($${J}$$ は固有値が $${\lambda = \alpha_i}$$ としたジョルダン標準形)
と標準化できる解で全て構成できるとのこと。すっきり。
とはいえ、 $${g(A) = O}$$ (今回は $${g(x) = x^3 - x}$$) を満たすためには、
$$
g(A) = Pg(J)P^{-1} = O
$$
を満たす必要があるため、 $${J}$$ が固有値を雑に並べた行列なら何でも良いということではない。
最小多項式方程式 $${\varphi_A(A) = O}$$ が重解を持つ・持たないによって、ジョルダン標準形の形は変わる。今回の場合は $${x^3 - x = 0}$$ の解には重解がないため、 $${J}$$ は対角行列として $${-1, 0, 1}$$ を対角成分に並べるだけで良いとのこと。
これで $${n}$$ 次の正方行列についても全て $${A^3 = A}$$ の解を網羅できるようになった。感動もひとしおである。
まとめ
A^3 = A の解
$${ A^3 = A }$$ を満たす正方行列の解は、
$${ A = O, \pm I }$$
または
$${ A = PJP^{-1} }$$
(ただし $${ J }$$ は固有値 $${-1, 0, 1}$$ からなる対角行列のジョルダン標準形、$${ P }$$ は正則な任意の行列)
の形で構成される。
その特別な例として、
対合行列 ($${ A^2 = I }$$)
冪等行列 ($${ A^2 = A }$$)
anti-idempotent matrix ($${ A^2 = -A }$$)
などといった例が存在する。
また、$${ A^2 }$$ は冪等行列である。
2次の正方行列であれば対合行列・冪等行列・anti-idempotent matrix の3種類の形しか存在しない。
anti-idempotent matrix
$${ A^2 = -A }$$ を満たす正方行列をanti-idempotent matrixという。
固有値は $${ \lambda = 0 }$$ or $${ (-1)^n }$$ しかない。($${A}$$が$${ n }$$次正方行列としたとき)
anti-idempotent matrix のうち正則なものは $${-I}$$ に限られる。それ以外の anti-idempotent matrix は正則でない。
anti-idempotent matrix は対角化可能。
といった性質をもつ。
2次正方行列の場合、
$${ A = \begin{pmatrix} a & b \\ -\frac{a(a+1)}{b} & -1-a \end{pmatrix} }$$
($${ b \neq 0 }$$)
は対角行列でない2次の anti-idempotent matrix の一般解である。
対角行列の場合は
$${-I}$$、零行列 $${O}$$、$${\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}}$$、$${\begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}}$$ の4種類のみ。
参考記事
- Involutory Matrix - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Involutory_matrix
- 冪等行列 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AA%E7%AD%89%E8%A1%8C%E5%88%97
- Anti-idempotent Matrix - Math Stack Exchange
https://math.stackexchange.com/questions/4414364/how-to-establish-that-an-anti-idempotent-matrix-is-singular
- Anti-idempotent Matrix - PlanetMath
https://planetmath.org/antiidempotent
- 行列方程式の解法と最小多項式について - 北数教 第44回 数学教育実践研究会
http://izumi-math.jp/K_Oguri/g_houteisiki/g_houteisiki.htm
重ねてで申し訳ないが、Involutory MatrixのWikipedia記事の日本語訳と、”anti-idempotent”の和訳をしていただけると、冥利に尽きる。
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