デュエプレ8弾EX環境考察
※全文無料です。気兼ねなく。
※この記事を元にしたテキスト2倍デュエマの空想ネタ記事を書きました。よろしければこちらからどうぞ。
※『トリガー阿吽』『除去コントロール』『5cアガピトス』『4cセラフィム』を簡単にですが追記しました。(5/15)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
以下にて8弾EX環境のデッキレシピと簡単な解説を記していきます。
今回は期間が短いため、NEWのみの考察としますが、ALL特有の『黒緑速攻』と『カチュア』を除いては大きく構築も変わらないため、参考としてもらえればと思います。
全体外観
8弾環境を終えて8弾EX環境が始まり、早くも10日ほどが経過しました。
当初看板である「覇竜凰ドルザバード」を採用した『赤黒ティラノ・ドレイク』や、第二の「パンダ」とされる「聖帝ソルダリオス」を軸とする『白緑アーク・セラフィム』が流行するものの、その流れは続きませんでした。
代わりにまず注目を浴びることとなるのは、まさかのUCである「居合のアラゴナイト」です。
8弾環境の雄『ゲオアガピ天門』から『ドリームメイト』、『4cアガピトス』をはじめとして、「連珠の精霊アガピトス」が採用されたデッキにほとんどの割合で投入されています。
用途が明確なカードだったため、既存デッキの強化パーツとして迎えやすかったことが使用率が早く伸びた理由でしょう。
紙のデュエル・マスターズではUCのカードでも優秀だと1枚800円ほどの値段が付くケースがありますが、「アラゴナイト」はその枠に相当する活躍をしていると言えます。
特に『4cアガピトス』は8弾末期に基盤が成立していたものの、このEX期を迎えて本格的に環境トップの地位を確立しています。
その他のカードに目を向けると、研究が進むにつれて以下の顔も頻繁に見られるようになってきました。
「光神龍スペル・デル・フィン」は『ゲオアガピ天門』や『4cアガピトス』のフィニッシャー枠、「キング・レムリア」は『青単テクノロジー』の新機軸、「烈流神」は『ドリームメイト』やミッドレンジ系ビートダウンの強化札として歓迎されています。
いずれも8弾の流れを汲みつつ強化されたデッキとして、環境上位のレースから離脱する気はなさそうです。
そして一番の異端児として環境を切り開いたのが「驚天の超人」を使用したデッキです。
トリガーを大量投入した『トリガーアメージング』を基本に、速攻に寄せた構築から「アガピトス」などを採用した中速の構築まで、幅広い可能性を感じさせるデッキが台頭しています。
「驚天の超人」対策として「ボルメテウス・サファイア・ドラゴン」や「緑神龍ダクマバルガロウ」「光神龍スペル・デル・フィン」を採用する動きもあるので、無視できない存在だと多くの人が考えていることがわかります。
デッキタイプではこの「驚天の超人」を採用したデッキに相性が良いということで『赤白アポロ』が復権しつつあります。
「コッコ・ルピア」を軸としたデッキのため、『4cアガピトス』をはじめとするボードコントロールデッキには弱い…というところでメタが展開されている感じでしょうか。
突出して強力なデッキが存在しない、バランスの取れた環境が現8弾EX環境であると言えます。
以下はTwitter上で公開された、オルゼキアカップTOP100入りを果たした人のデッキを仕分けたグラフです。
※1名で複数のデッキを使用したと公開しているものをすべて数えているため、63名分ではありません。
これを書く5/3はここからわずか3日経過しただけですが、『4cアガピトス』と『トリガーアメージング』はさらに使用率が伸びていると感じられます。
『ゲオアガピ天門』は8弾環境で頭一つ抜けた強さを誇りましたが、その差は確実に埋まりつつありますね。
1か月ほどと短い期間の8弾EX環境となりますが、以下の考察が一人でも多くの方の役に立てば幸いです。
ゲオルグアガピトス天門
大方予想はできていたことですが、8弾環境で最強の地位を誇ったこのデッキはEX環境でも変わらず環境トップの強さを持ちます。
場面に左右されるカードがかなり少なく、カードパワー・デッキパワーの権化と言ってもいいほどです。
EXでは「アラゴナイト」をメインに、「デル・フィン」をサブメンバーとして迎え入れました。
「アラゴナイト」は1~2枚の採用が多く、「デル・フィン」は人によって1~2枚入れるかどうか、といったところでしょうか。
オルゼキアカップの上位者の中では、「アラゴナイト」はほぼ100%、「デル・フィン」は19名中5名が使用しています。
特に「アラゴナイト」は「アガピトス」からの盤面処理と不足していた赤緑のマナ基盤として優れたカードです。
このカードの存在によって『ツヴァイ』『ドリームメイト』などは主役着地前に刻むプレイがしづらくなったので、厄介な存在と言えます。
これらの入れ替え枠に触れると、「アラゴナイト」で緑が確保できるため「剛勇王機フルメタル・レモン」「剛撃聖霊エリクシア」などが、「デル・フィン」がフィニッシャーとなるため「竜極神」や「腐敗勇騎ガレック」などが減少傾向です。
時にはこれまでの鉄板だった「魂と記憶の盾」や「デーモン・ハンド」の枚数を減らした構築も見られるため、より構築に個性が出て来るようになりました。
その他の傾向としては、不利対面である『青単テクノロジー』に対抗するため、「アガピトス」と「キングダム・ゲオルグ」を4枚積みする構築が増えています。
特に「アガピトス」は評価の上昇が留まるところを知らず、「キングダム・ゲオルグ」がまだ3枚積みもみられるものの、「アガピトス」においては3枚積みが一般的だった事実はすっかり過去のものとなりました。
優秀なカードが登場するごとにスペースに悩まされるあたりがデッキパワー最強たる所以でもありますね。
構築や対面ごとの簡単な解説をOver ジャッキーさんが無料記事にしているので、ぜひご覧ください。
4cアガピトス
名称は様々ですが、ビートダウン戦略もコントロール戦略も取れるため、4cとしておきます。
青抜きの4色で構成され、「連珠の精霊アガピトス」によるボードコントロールから「竜極神」で強烈なフィニッシュを決める戦術を基本とします。
目を引くカードは「聖騎士ヴォイジャー」でしょう。
これまでも『ドリームメイト』での「フェアリー・ギフト」による「アガピトス」の早出し戦術は存在しましたが、「ヴォイジャー」を採用することでそれ以外にも新たな強みが生まれました。
・パワー3000で「アガピトス」と合わせて「ウルコス」などを処理できる
・出た時1ドロー
・「ゲキ」からのリアニメイト対応
こうして構造を見ると原始的な強みですが、「フェアリー・ライフ」→「ヴォイジャー」→「アガピトス」と順調につなぐことができると、クリーチャーコントロール系のデッキはまず太刀打ちができない制圧力となります。
最近は研究が進んで「ヴォイジャー」を抜いた型が主流となりつつありますが、それでもオルゼキアカップ上位者の12名中5名が「ヴォイジャー」入りを使用し、実力が証明されています。
また、元々存在した3コストの光クリーチャー「ウルコス」や「フンヌー」も強力でしたが、EXにて登場した「アラゴナイト」はより強力でした。
攻撃中『メカオー』の「霊王機エル・カイオウ」すら上回るパワーとなり、ターン終了時にアンタップして貧弱な体を晒さないのは「アガピトス」とのかみ合いが良すぎます。
『天門』などのボードコントロールを取りづらい対面には「ガレック」「竜極神」によるコントロールプランを取りつつ、〆には「霊翼の宝アルバトロス」でゴリ押しもできるため、極めて不利とする対面が存在しない完成度の高いデッキです。
基本マナカーブの頂点が7で、それも「アガピトス」からウルコスを引っ張っていれば自然と到達するため、ドローソースが「ヴォイジャー」で足りる点も強みですね。
順調に回れば『ツヴァイ』『メカオー』『アポロ』のような盤面準備が必要だった7弾環境デッキすべてをコントロールし切ってしまうため、新時代の訪れを感じさせます。
調整パーツのプールも広く、これがデッキの強みともなっています。
・「G・A・E」で「ペガサス」→効果で「ギフト」を持ってくる→「ギフト」+「レオパルド」で計9マナの即リンク
・同じく「ペガサス」→「ギフト」を持ってくる→「レオパルド」→7マナで「ギフト」+「デル・フィン」
・「霊峰」で「ボルバル」を持ってきて10ターン以降9マナでEXターン
「ダクマ」や「デル・フィン」は「驚天の超人」対策にもなる上に、「ウルコス」によって自然とマナがたまっているため、見かけ以上の活躍ができるカードとなります。
その他小技も多々持っており、プレイの幅が非常に広いです。
「ゴッド」の登場によって「ギフト」をエンジンとしたデッキが登場することは予見できていましたが、さすがにもう少し先の未来だと思っていました。
「アガピトス」「竜極神」の早期着地は強力の一言に尽き、紙での凶悪さを知っている人であれば、DP殿堂入りも視野に入ってくるかもしれませんね。
この他にも青を加えて「キングダム・ゲオルグ」などを使用可能とした『5cアガピトス』も存在し、「ヘブンズ・ゲート」を使用しないビッグマナのデッキとして異色の躍進を見せています。
「ガレック」こそ次の9弾でNEWから消えてしまいますが、入れ替わりでおそらく敵対色サイクルが実装されるため、調整を繰り返して息の長いデッキとなると考えられます。
オルゼキアカップ最終1位の名もなきファラオさん、2位のアグロ田中さんをはじめとして、上位入賞者4名が協力して書き上げた詳説が無料公開されているので、ぜひご覧ください。
ドリームメイト
8弾環境末期から再び勢いを取り戻していたデッキで、BATTLE ARENA 4thでも2席を確保した活躍が記憶に新しいですね。
「ジェネラル・クワガタン」のナーフ後も『天門』の次くらいに位置する高さの使用率を誇っていた実力者ですが、EXパックにて新たな戦力を得ることができました。
「アガピトス」あるところに「ウルコス」と「アラゴナイト」あり、って感じですね。
単純にこれまでの「フンヌー」の枠を「アラゴナイト」に変えた型も強力ですが、EXらしさで言うと「烈流神」を採用した型も頻繁に見られるようになりました。
元々攻撃的なデッキが豊富なトリガーでカウンターもできたため、そこに実質7マナSAモヤシWブレイカーの「アギョウウンギョウ」が加わってフィニッシュ力・継戦力を上げることに成功しています。
「アガピトス」が環境に非常に多いため、「炎地武神」も同じゴッドとして採用圏内となってきました。
これらによって多色が増えたことは若干のデメリットですが、対面によって出力差が大きく、「パンダネルラ将軍」からリクルートするドリームメイトの枠を食ってしまっていた「サージェント・クワガタン」を抜きやすくなったのは朗報でしょう。
高いビートダウン力を持ちながら有効トリガーが多いため、中速系のお手本のようなデッキです。
これに対抗するデッキが数多く存在するところもまた、デュエプレのインフレ具合を感じるところですね。
このデッキとのかみ合いはベストと言えませんが、EXパックでも2枚の新規ドリームメイトが登場したため、今後もプールの追加は望めそうです。
気付けば一線級の強さを持ったハイブリッド種族は『ドリームメイト』のみとなってしまいました。
デュエプレ8弾は紙の不死鳥編・極神編・戦国編あたりに相当しますが、この時期でも強力な隠し玉は多く存在するため、将来性に夢をみたいところです。
青単テクノロジー
8弾より環境トップの『天門』に対して有利がつくため、メタデッキの筆頭として環境に進出してきました。
BATTLE ARENA 4th優勝も果たして、いよいよマイナーデッキというイメージは過去のものとなっています。
EXパックでもまさかの強化を受けることに成功し、「ラセン・チャージャー」と「キング・レムリア」の2枚の戦力を補充しました。
「ラセン」はバウンス効果が使えずとも若干後ろ寄りとなった環境で5枚目以降のチャージャー、「レムリア」は『天門』への効きがいいほか、「驚天の超人」への対策にもなります。
オルゼキアカップの最終上位者では、8名中3名が「レムリア」を採用し、「ツヴァイ」を抜いた型を使用していました。
未だ「ツヴァイ」を採用した形が主流と言えますが、これらの新カードを採用した形のほかにも、「魔皇アスティマート」をはじめとする『グランド・デビル』を軸とした構築も登場しています。
目的こそ7マナの「テクノロジー」まで繋ぐと変わらないものの、1つのデッキタイプで3種類の構築があるとなると、相手にする側は厄介ですね。
このデッキのシェアを考えると、各デッキタイプでどんなカードがマナカーブ毎に採用されているかは、一通り学習しておく必要があると言えます。
「ツヴァイ」型の構築変化に触れると、「スパイラル・スライダー」の枚数が減少傾向にあることと、「アクア・トランサー」の採用が見かけられるようになった点でしょうか。
NEW環境では目立った速攻デッキもなく、クリーチャーの着地が「ウルコス」をはじめとする3コストから始まるミッドレンジ系のデッキが多いため、「スライダー」がなくても乗り切れる場面が増えたためと考えられます。
「ツヴァイ」を用いた戦術が応用力が高く、サブプランというには強力すぎることもあるでしょうね。
「トランサー」は潤滑油として序盤から終盤まで活躍し、「ツヴァイ」の立てやすさにも貢献するため採用が広まっています。
枚数は0~4枚と幅があるため、対面泣かせとも言えそうです。
『ゲオアガピ天門』を筆頭とする後ろよりのデッキが目立つ限りは、このまま環境に居続けると考えられます。
トリガーアメージング
8弾EXでの異色枠にして一番の問題児となっている「驚天の超人」を軸としたビートダウンデッキです。
「緑神龍ガミラタール」の上位種といった性能を持ったカードですが、登場時に超マイナーデッキとして存在した『ガミラタールトリガービート』を発展したような構築となっています。
「驚天の超人」の事前評価記事でも書きましたが、結果は強烈な地雷デッキとして環境を荒らすこととなりました。
最大の仮想敵である「エリクシア」が『天門』にしか存在せず、そこでもマナ基盤を担っているため手札に居ない場合もあることが大きいですね。
仮に出てきたとしても近いマナカーブに「腐敗勇騎ガレック」が存在するため、1:2交換が強烈に刺さり相手のリソースを枯らすことができます。
順調に盾を割り切ることができれば、その後は盤面を逆転されても20枚超えのトリガーからカウンターが可能で、ある種デュエマの基本に最も沿った構造のデッキと言えます。
ここでも最後の一押しに「アルバトロス」が活きますね。
8弾の事前評価記事で触れましたが、思ったより早く存在感が際立つようになってきました。
『4cアガピトス』でも採用されますが、こちらは名前通り巨大な「驚天の超人」、4枚積みの「ガレック」、タップを行える「転倒専機コロビナー」「予言者コロン」などのリアニメイト先が豊富なため、凶悪さは比ではありません。
タイプは違えど、『ドリームメイト』のように高い攻撃性とカウンターを兼ね備えた強力なデッキと評価できます。
今後の展開を考えた場合、「驚天の超人」自体が大型クリーチャーのプールが豊富になるほど価値が下がる上に、メタカードも増えていくと考えられるため、デッキの賞味期限はそう長くないと考えられます。
ただ、それでも今の環境では過去の『デアリカチュア』に近いアンフェアデッキの性質を帯びている上に、採用する色やデッキ方針を変更しやすく、柔軟な構築が可能です。
冒頭触れたように『トリガービート』の形から『4cアガピトス』と折衷した中速型も強力なアーキタイプとなっているため、ランクマッチを筆頭に環境の中心になっていくと考えられます。
これについてはlotasさんが無料記事で詳細に解説しているので、ぜひご覧ください。
間もなく9弾が実装されることもあって、EXに投資をする余裕のある人向けにデザインされたデッキだと推測しますが、型破りな構築なだけに末恐ろしいです。
ツヴァイ
変わらず7弾までのカードプールのみで環境に食らいついています。
戦いづらい対面も増えてきましたが、8弾環境末期の『ゲオアガピ天門』と『除去コントロール』が多かった頃よりは風向きが良くなってきています。
新戦力の『4cアガピトス』や『トリガーアメージング』は有利とは言い難いものの、再び勢いを取り戻してきた『テクノロジー』『ドリームメイト』に対抗しやすいのは追い風ですね。
最近というほどの傾向でもありませんが、「エナジー・ライト」などの単純なドローソースは採用が減り、3コスト以下のリキッド・ピープルをフルに使用した構築が主流となっています。
「クリスタル・ブレイダー」も「アガピトス」対策のブロッカーメタに引っかかってしまうことはネックですが、ビート要因から「アクア・スクリュー」と併用したドローソースまで、器用な動きを実現します。
こうして環境が変化しても一定の位置で活躍し続ける様子をみると、このデッキの最大の強みを改めて感じますね。
周囲とのデッキパワーの差は時期を追うごとに埋まりつつあるものの、安直なビートダウンを抑え付ける役割はしばらく担うことになりそうです。
また、環境がクリーチャーコントロールに傾いてきたことで、そこそこの確率で狙える4ターン目の押し付けプランが取れることも持ち味として際立ってきました。
『4cアガピトス』のようなボードコントロールをしてくるデッキは本来苦手とするはずなのですが、少しもたつくと5ターンからの制圧となるため、押し付けを間に合わせることができます。
『除去コントロール』が3ターン目に「ファントム・バイツ」で除去できたからこそ『ツヴァイ』に強く出られたのがわかりますね。
どんなデッキでも4ターン目にT・ブレイカーが立つことは辛いことに変わりない環境なので、苦手対面にも”対処させる前に倒す”ということができる強みが今環境唯一性を帯びています。
構築についての考え方を後攻5割さんが無料記事で書いているので、ぜひご覧ください。
赤白アポロ
7弾の流れをなぞるように8弾環境末期でシェアを伸ばした『赤白アポロ』は、EXの登場後鳴りを潜めたものの、再び今注目を集めています。
最近の変化としては「超神星アポロヌス・ドラゲリオン」の4枚積みの構築が増えたことと、「超竜騎神ボルガウルジャック」が減少傾向にあることでしょうか。
「驚天の超人」の登場によって「ヘリオライズ・ドラゴン」を介さずに「アポロ」を手札に持つ必要があるために採用が増え、進化の種を残しづらい「ボルガウル」は減少傾向にあるのだと考えられます。
『4cアガピトス』をはじめとするデッキに「コッコ・ルピア」が容易に除去されてしまうのはかなり痛いですが、『トリガーアメージング』をはじめとする「驚天の超人」を採用したデッキに有利が付くのが今の強みです。
逆に言えば「驚天の超人」が存在しなければ一線を引いている可能性があるので、過去の環境トップの一角がメタデッキとなっているのは感慨深いです。
『ツヴァイ』もそうですが、このあたりの環境の巡りは妙に感じますね。
「アクア・サーファー」をタッチで採用してトリガーを厚くした型もちらほら見かけるようになってきたので、対面の際には考慮する必要があると言えます。
基礎的な部分や各対面の留意事項についてラムダさん、後攻5割さんが無料記事を公開しているので、ぜひご覧ください。
トリガー阿吽
『トリガーアメージング』から派生するように、シールドトリガー満載のビートダウンとして台頭してきました。
継戦力が非常に高い「烈流神」をキーに据えたビートダウンで、SRを一枚も使わない構築でありながらなかなかの戦力を持っています。
「ゴッド・シグナル」から3ターン目に「烈流神」を持ってきて、後は次ターンから「ウンギョウ」を展開、次ターン以降はリンクして殴る動きが単純なため、初級者からも無理なく使うことができます。
最大のポイントは『トリガーアメージング』以上にトリガーが多いこと。
あちらが20枚強なのに対して、こちらはサンプルのように36枚という構築も少なくありません。
「魂と記憶の盾」を使ってくる相手には苦戦を強いられるでしょうが、それ以外の対面には広く勝ちを見込めます。
トリガーが満載のデッキは、対面する側も「ボルメテウス」を使いでもしない限りかなり緊張とプレイを要求するため、異端な存在でありながら良い性質を持ったデッキと言えます。
「チックチック」や「ロウバンレイ」を入れてビート力を上げてもよいでしょう。
除去コントロール
『除去コントロール』というデッキは幅広く存在しますが、現環境で一番通りが良さそうな『赤黒ドルバロム』を代表として挙げておきます。
トップに位置する『4cアガピトス』や『ゲオアガピ天門』には除去とハンデスが、『テクノロジー』には「ドルバロム」が間に合えば有利に戦えるため、立ち位置は悪くありません。
以下の”環境の「解」”でも触れていますが、「アビス」を採用した形にもできるため、アレンジのし甲斐もあります。
『トリガーアメージング』や『ドリームメイト』が少ない時を狙って使えば十分に勝てるメタデッキのため、ランクマッチでは意識する必要があるでしょう。
もちろん8弾環境末期で特に活躍を見せた『赤黒テラーコン』や『クローシス除去サファイア』にも活躍の可能性は見えているため、EX環境で一度はこの種のデッキに触れてみることを勧めます。
5cアガピトス
『4cアガピトス』を派生して『5c』にした形です。
青を加えたことでドローは当然ながら、「アクア・ポインター」と「ゲオルグ」を使用可能となりました。
環境がコントロール寄りであるため、確実にリソース差をつけられる「ポインター」の評価は上がっています。
「ゲオグル」も若干「アガピトス」の影に隠れてきたものの、カードパワー自体は現環境随一と言って過言でないため、これらを採用できるメリットは大きいものです。
もちろん色が増えた影響で事故率は増していますが、主流の『4c』にも決して劣らないスペックを持ったデッキと言えます。
『4c』でもテンプレと言える構築を固定するのが難しいほどにグッドスタッフ性が高く、個性を詰められるデッキとなっていますが、『5c』はさらに拍車がかかります。
”アガピトスマスターズ”と揶揄もされていますが、これほどに構築の可能性が多様なデッキは過去になかったため、乗ってみるのも一興でしょう。
4cセラフィム
当初『白緑セラフィム』として、デザインに沿った構築が展開されていたアーク・セラフィムですが、環境で戦うことを考えるとベターなのはこの『4cセラフィム』だと考えられます。
『白緑』がどうしても『ドリームメイト』の型違いな設計でありながら、「パンダ」より早期安定着地が難しい「ソルダリオス」がエースのため、順当な道では『ドリームメイト』の下位とされがちでした。
ですが、『4c』としたことで「竜極神」を加えることができると、基本的に採用が難しい『ドリームメイト』とははっきり差別化することができます。
要は『4cアガピトス』と折衷した形になったわけで、その分戦略も増えた良デッキとなりました。
環境での存在感こそ強くはないものの、十分通用するデッキパワーを持っているため、アーク・セラフィムの活用を考えている人には一度試す価値があるでしょう。
環境の「解」
環境の中心を抑えると、『テクノロジー』『ツヴァイ』『赤白アポロ』『トリガーアメージング』以外のデッキには、まず「アガピトス」が入っていると考えるべきです。
以下はオルゼキアカップの上位者のデッキのアガピトス採用率を調べたグラフです。
非常に賛否の分かれる活躍っぷりです。
きれいに全体の6割、63デッキ中の38デッキが「アガピトス」を使用していると知れば、対策をしないわけにはいきません。
ただ、ブロッカー破壊である「ガレック」や、アガピトスから出て来るクリーチャーをまとめて焼き払う「竜極神」は既にメジャーカードで、何なら「アガピトス」を使うデッキ自体がこれらを採用しています。
既に先駆者が開拓し切った結果がこの2枚の使用率増加だと言えます。
残る対策は限られますが、大きな括りで言えばむやみにクリーチャーを並べない『コントロール』系統のデッキには追い風が吹いていると言えます。
『天門』を除く「アガピトス」を採用するデッキがたいてい3ターン初動、小型展開が基本でビートダウン力は飛びぬけて高いわけではないため、『除去コントロール』が間に合わせることが現実的に可能なスピードです。
「コメット・チャージャー」は最軽量の「アガピトス」対策、「三途万力」は「アガピトス」から並んだ小型の処理や「驚天の超人」対策、「マインド・リセット」はリソースの少ない『4cアガピトス』からのテンポ稼ぎや『青単テクノロジー』への対策、「オルゼキア」は様々な対面に有効な除去札として使えます。
もちろん先に紹介したぶっ刺さりの「ガレック」「竜極神」も無理なく取り入れることができます。
環境に適応したメタカードを搭載して理論上どんなデッキとも戦えるのが『除去コントロール』の強みですが、クリーチャーのカードパワーが高いデュエプレではこれまで不遇なデッキでした。
ですが、最も苦手とした高速のデッキや「黒神龍グールジェネレイド」のデッキが減少した今が、ひょっとすれば輝ける時なのかもしれません。
「サファイア」も「驚天の超人」対策になるあたり、強みになりますね。
その気になれば「運命の選択」やトリガー獣を対策できる「百発人形マグナム」も採用が可能です。
7弾環境で『5c天門』が『除去コントロール』と折衷する道をたどったことを思い出せば、こちらも可能性が見えると考えられます。
「ヘブンズ・ゲート」による防御力の向上はもとより、「魂と記憶の盾」を使えることや「エリクシア」の存在も「驚天の超人」をはじめとして多方面への対抗策となります。
また、環境が後ろよりになりつつ、闇文明が少ない時が来たならば、一度は「悪魔神ドルバロム」の活用を検討してみるべきでしょう。
基盤にする色にもよりますが、除去とハンデスを撃ちながら9マナまで繋ぐ、というのは今の環境であれば猶予がある対面も多いと考えられます。
併せてマイナー寄りながら「インビンシブル・アビス」は強力な盤面リセットカードで、『準黒単』も視野に入れて来ることができます。
その他は毒を以て毒を制す、というほどではありませんが、「アガピトス」を軸とした新しいデッキの開発にもまだまだ可能性が残っています。
改めて最終上位者の構築を見ると、3件の『5cアガピトス』、1件ずつの『赤抜き4cアガピトス』『青抜き4cソルダリオス』『青抜き4cゲートサファイア』はいずれもアガピトスを採用しながらも、確立したアーキタイプではない、オリジナル要素の強いデッキです。
ALL環境にも目を向ければ『青抜き4cフィオナ』を使用した人もおり、これらの多様なデッキが活躍できたのは「アガピトス」の存在あってこそとも言えます。
実際にその例として上記グラフの『青抜き4cゲートサファイア』を使用したSO.Sさんが無料記事を公開しているので、ぜひご覧ください。
過去記事でも書きましたが、基本的に重いデッキは「ヘブンズ・ゲート」を採用しない限り活躍が難しかったのがこれまでのデュエプレです。
6コストという「ヘブンズ・ゲート」に縛られないコストがそれを打開したという意味では、「アガピトス」の良さを認める必要があるでしょう。
さすがにこの使用率はナーフなどの調整ができなくとも、来る9弾でメタカード・メタギミックが実装されると考えられます。
かの「無双竜機ボルバルザーク」が殿堂入りをする前も、様々な派生やアンチデッキが誕生したように、対抗手段は必ず存在するのです。
残る一か月弱の8弾EX環境のなかで、各人が自分の答えを見つけられることを願います。
おわりに
まとめることが多く、絞った内容としましたがそれでもかなりの文量となってしまいました。
EXパックの登場は初めてとなりましたが、1か月だけの環境というのは新鮮ながら変化も大きく、ついていくのが大変ですね。
少しでもこの情報が読んで下さった皆様の役に立てばと思います。
最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。
無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけるととても嬉しいです。
いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。
それではまた。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?