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小説

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#SF

ラーメンの消失

「私の専攻は時空歴史学です」 そう自己紹介した時の話し相手の反応ほど嫌なものもない。 「は…

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二色の丸薬

#彼女と宇宙とぼくの話  三つの月がかわりばんこに顔を見せる砂漠の星を歩いている時のこと…

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自我持つ薄桃色のもこもこ

#彼女と宇宙とぼくの話  アンドロメダ銀河の果てに、リブラ星というつまらない田舎星がある…

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日暮れの校舎で会えたなら(1/n)

 秋の日は釣瓶落としって言うだろう。今日はまさにそれだった。まだ7月なのにさ。絶対時計は1…

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銃口

#地球保護協会  いよいよ待ったの効かなくなった民主化運動と内ゲバで破裂寸前となっていた…

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海賊船ニューコメン

#地球保護協会  バーミヤンの大石像は完全に跡形も無くなっていて、かつてそれがあったこと…

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うさぎさんと私

#地球保護協会  私はあなたとは違う。  その呪いの言葉は幾百回、幾千回と神崎希の中で繰り返され、遂には本物の呪いとなって彼女を蝕み初めた。  それを吐く時。それは決まっていつも自分に言い訳をする時で、刃を秘めた包帯を嗚咽を吐き出しながら傷口に添え当てる時だった。  孤独の腕の中に抱かれている時、彼女はいつも過去に苛まれる。だくだくと鼓動が早まり、毛布の中に一層深く潜り込もうとする。胸をかきむしろうとする手を必死にとどめて懸命に深呼吸を繰り返す。これまでに移り気な世界が気ま

モスクワ川のほとり、星の果て

『ロシアにおけるアルファ・ケンタウリ星人』(2019年2月32日発行・寒咲希著・異星史出版社)1…

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アルファ・ケンタウリより、愛を込めて

 20世紀のはじめ、薄氷に閉ざされたロシアの大地に宇宙人が降り立ったことを知っているだろう…

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