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小説

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2019年2月の記事一覧

Determination, Void, and Love(前)

 長い長い間、深くて暗い海の底に沈んでいたかのようだった。その水底から、あぶくを撒き散ら…

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二色の丸薬

#彼女と宇宙とぼくの話  三つの月がかわりばんこに顔を見せる砂漠の星を歩いている時のこと…

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自我持つ薄桃色のもこもこ

#彼女と宇宙とぼくの話  アンドロメダ銀河の果てに、リブラ星というつまらない田舎星がある…

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日暮れの校舎で会えたなら(2/n)

 一本のベルトコンベアを想像してみてほしい。だだっ広い空間に延々と伸びる一本のベルトコン…

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日暮れの校舎で会えたなら(1/n)

 秋の日は釣瓶落としって言うだろう。今日はまさにそれだった。まだ7月なのにさ。絶対時計は1…

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銃口

#地球保護協会  いよいよ待ったの効かなくなった民主化運動と内ゲバで破裂寸前となっていた…

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海賊船ニューコメン

#地球保護協会  バーミヤンの大石像は完全に跡形も無くなっていて、かつてそれがあったことを示す大空洞だけが繁茂する植生に占有されている。それでもこの空間はかつて祈りの場であり、タリバーン達の聖戦の場でもあり、戦争の無益さの象徴でもあった。  今はそのどれでもない。  地球保護協会に門戸を開いた新生アフガニスタン共和国政府は大いに持て余していた国土を世界に先駆けて「緑化特区」とする声明を出し、それからおよそ十数年の間、この地は最新の緑化技術の実験場となっていった。  深海梨子

うさぎさんと私

#地球保護協会  私はあなたとは違う。  その呪いの言葉は幾百回、幾千回と神崎希の中で繰り…

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モスクワ川のほとり、星の果て

『ロシアにおけるアルファ・ケンタウリ星人』(2019年2月32日発行・寒咲希著・異星史出版社)1…

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アルファ・ケンタウリより、愛を込めて

 20世紀のはじめ、薄氷に閉ざされたロシアの大地に宇宙人が降り立ったことを知っているだろう…

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