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「当たり前」の基準を高くしよう

概要

・「当たり前」は自分の行動や思考の判断基準となるもの
・ 基準を高めることでなりたい自分に近づける
・ 小さな変更を繰り返すことで大きく成長しよう

はじめに

皆さんにとっての当たり前はなんでしょうか?
私にとっての当たり前を挙げると

・時間を守る
・あまり無理をしない
・不安事項はスルーせず対処する
・分からないことがあったら調べる
・いいなと思った本があったらすぐ買う
・etc...

このように、挙げ始めると数多く出てくるのではないでしょうか。その中には自覚していることや普段は無意識のうちに行なっていたこと等、様々あるかと思います。それらの当たり前が積み重なることで一個人を形成しており、日々の判断や行動に大きく影響していると思います。言い換えれば、自分にとっての当たり前が、行動や判断をする際の基準となります。

この当たり前の基準は自分の中にあるものなので、自由に高くしたり低くしたり調整することができます。では、基準を高くし、それらを維持することが出来ればどうなるでしょうか?

本記事では、当たり前の基準を高くするための方法をまとめてみました。成長したい人、次の一歩に悩む人の参考になればと思います。

定義

「当たり前」という言葉の定義は下記のとおりです。

 だれが考えてもそうであるべきだと思うこと。当然なこと。また,そのさま

当たり前(あたりまえ)とは - 当たり前の読み方 「当たり前(あたりまえ)」の意味ならWeblio辞書

ただ、言葉の定義にあるような「だれが考えてもそうであるべきこと」というものは基本的には存在しません。年齢や性別、人種といった個人に関する属性はもちろんのこと、会社やコミュニティ、もっと言えばどの国や文化圏にいるかといった属する組織に関する属性、更には過去・現在・未来といった時間軸といった様々な要素によって定義は変わってきます。

そのため、本記事における当たり前は、「だれが考えても」ではなく、「自分にとって」という意味で用います。

▼ 当たり前に気付こう

まずは自分にとっての当たり前に気づく必要があります。当たり前のことなので、その多くは無自覚に行なっており、パッと思い浮かべることが難しいです。そのため、自分の考え方や行動を振り返り、それらをリストアップする必要があります。
リストアップの方法としては大きく分けると以下の2つがあります。
・具体的なシーンの行動や思考を振り返る
・他の人に自分の印象を聞く

ただ、他の人に自分の印象を聞くことについては、客観的に見た行動や思考のパターンを知ることが出来ますが、日頃の自分の見せ方や相手の理解度に依存してしまうので、自己分析を踏まえた上で他の人に聞くほうが良いかと思います。

では、具体的なシーンの行動や思考を振り返りましょう。たとえば、朝の行動とその理由を振り返ると

・朝起きたらまず顔を洗う(さっぱりしたいから)
・朝食は必ず食べる(食べないと力が出ないから)
・パンは食べず、ご飯を食べる(パンを食べるとなぜか調子が悪くなるから)

のようにまとめます。
では、次に仕事の進め方を考えてみましょう。例としては以下の通りです。

・自分の中で合格点が出るまでやりきる(納得した上で進めたいから)
・分からないことがあったらすぐに相談する(限られた時間でなるべく前に進めたいから)
・後々に影響がありそうなことは先回りして対処する(問題が大きくなる前に問題の芽を摘み取りたいから)

このようにテーマとそれに対する行動・理由をリストアップすることが、自分にとっての当たり前に気づくための第一歩です。

▼ 当たり前を疑おう

当たり前の定義については冒頭で説明しました。

言葉の定義にあるような「誰が考えてもそうあるべきこと」というものは基本的には存在せず、年齢や性別、人種といった個人に関する属性はもちろんのこと、会社やコミュニティ、もっと言えばどの国や文化圏にいるかといった属する組織に関する属性、更には過去・現在・未来といった時間軸といった様々な要素によって定義は変わってきます。
そのため、本記事における当たり前は、「だれが考えても」ではなく、「自分にとって」という意味で用います。

自分にとっての当たり前なので、普遍的なものではありません。そのため、今、この状況において、この行動や考え方は妥当かという点で定期的に見直す必要があります。

先ほどの仕事の進め方の例だと、以下のように考えます。
■ 自分の中で合格点が出るまでやりきる
・スケジュールを考慮した上でやりきるのであれば問題なし
・完璧を追求するという意味であれば、見直す必要がある

■ 分からないことがあったらすぐに相談する
・スピード重視かつ自分に知識が全くないが一時的に請け負っている内容であれば、この方針は良さそう
・そうでない場合、相手の時間を余分に奪っている可能性があるため見直す必要がある

■ 後々に影響がありそうなことは先回りして対処する
・他のタスクの優先度や該当の問題の影響度を考慮しているのであれば問題なし
・そうでない場合、今やるべきことを疎かにしている可能性があるため見直す必要がある

こういった分類をしていくと、どの行動やどの考え方の判断軸を見直したほうが良いかが分かります。次からはそれらに対して、どのようにアクションするべきかを説明します。

▼ なりたい状態をイメージしよう

当たり前だと思っていた行動を認識し、見直してみた結果、行動や思考を変えたいと思った場合に、どのように変えるべきなのでしょうか。闇雲に変えてしまっても必ずしも良い方向に向かうとは限りません。まずはなりたい状態を想像しましょう。先ほどの例から1つ取り上げて説明します。仮に現状となりたい状態を以下のように定義します。

現状:分からないことがあったらすぐに相談する
なりたい状態:自分の答えを持った上で相談にいく

このように定義することで、現在地点の認識とゴール地点の認識が出来るようになります。もちろん、まだ2点しか設定していないので、その間をどのような道筋で進めばよいかは分かりません。では、次からはその道筋を探していきましょう。

▼ 少しでもいいから変えてみよう

何もしなければ現状から変わることはありません。変わるためには何かしら変える必要があります。では、どのように変えるべきなのでしょうか?

ついやりがちなのが、いきなりガラッと変えてしまい、理想と思う行動を取ることです。もちろんそれもやり方の一つではありますが、私としてはオススメできません。理由としては以下の通りです。
・なりたい状態が自分にとって本当に良い状態なのか分からない
・一気に変えると、どの変更が良くて、どの変更に問題があるのかが分からなくなる

そのため、まずはここを変えると良くなるのではないか?という仮説を立てます。先ほどの例を利用すると以下の通りです。

現状:分からないことがあったらすぐに相談する
なりたい状態:自分の答えを持った上で相談にいく

仮説
・優先度を意識する。早急な解決が必要か、多少時間がかかってもよいか
・問題を認識する。目の前の事象だけではなく、その原因を探る
・解決策を探す。どうすれば問題が解消できるのか、方法はいくつあるのか
・関係者を事前に把握する。誰を巻き込むべきかを意識する

あくまで仮説ですので、良し悪しはこの時点では分かりません。また、悪く見える仮説でも、その環境には適しているということもあるかと思います。これらの中から、手軽に取り入れることが出来て、なおかつ効果が高そうなものから取り入れてみましょう。

▼ 良いと思ったら続けてみよう

行動や考え方を変えてみた結果、少しでも良くなった場合、その変更を継続してみましょう。そして、継続しても良かった場合は、その行動や考え方を自分にとっての新しい当たり前としましょう。

もちろん、その変更によって全てが良くなるものではないとは思います。ただ、一部分でも良くなるのであれば取り込み、合わない部分についてはその部分のみ変えてみましょう。こうした変更の繰り返しによって、自分にとっての当たり前の基準を高くしていきましょう。

人によっては、大きく変化することで大きく成長したいという思いはあるかと思います。しかし、小さな成長の積み上げによって大きく成長するほうが、途中における軌道修正もしやすく、変更による強いストレスを感じることなく出来るので良いかと思います。

▼ 時にはやめてみよう

行動や考え方を変えてみた結果、良くないと判断した場合、バッサリやめてみるのも1つの手です。継続することが美徳と感じる人がいるかもしれませんが、良くないものを継続することはあまり意味がありません。もちろん、慣れていないから合わないという理由の場合は、慣れるまでは続けたほうが良いです。しかし、良いと思えないことを続けることは時間の無駄ですので、別の方法に変えてみましょう。

手軽にやめるためにも、前項で説明した「少しでもいいから変えてみる」という考えが大切になってきます。大きな変化を元に戻したり、別方向に変えたりすることは大きなストレスとなります。また、「せっかく頑張って変えたのに・・・」という思いも生まれてしまいます。結果として、この考えや行動は違うなと思いつつも、つい続けてしまいがちです。(「コンコルド効果」と呼ばれるものです)

だからこそ、「小さな変更→変更に対する評価→良ければ継続、悪ければやめる」というサイクルを繰り返すことで、自分にとっての当たり前を最適化するほうが良いです。

おわりに

「当たり前のことだから変えられない」と思っている人が、もしかしたらいるかも知れません。繰り返しになりますが、「当たり前」は「あなたにとってのもの」なので、変えることができます。もちろん、変えないほうが楽ですし、慣れていることをするほうが楽です。ただ、「成長したい」、「もっと良くしたい」といった思いがあるのであれば、今すぐにでも変えていきましょう。ほんの少しの変化で良いのです。それが積み重なれば大きな変化になりますから。

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