見出し画像

【おかえり図書】「サイボーグ時代」を読んでコミュニティを「抜ける」自由もあるということを考えた


こんばんは。くらげです。

私が手伝っているコミュニティ「いつでもおかえり」でおかえり課題図書ということで、いくつか持ち回りで「おすすめ図書」を紹介することになった。これまではどちらかといえば「心理的なもの」を書いている人が多かったのだけど、そういう中では異色の本を紹介したいと思う。

私は頭部に機械を埋め込んでいるちょっとしたサイボーグだ。そういうわけもあって、サイボーグとか人類と機械の融合の話みたいな本は時折読む。そのような経緯で読んだ一冊が「サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生」(吉藤 オリィ)だ。

吉藤オリィ氏は「孤独の解消するためのテクノロジー」を次々と開発している。有名なのは「OriHime」というロボットで、遠隔操作で感情を表現することも可能で、オリィ氏の会社には実際にこのOriHimeで仕事をしている社員も在籍している。また、可動式のOriHimeを開発し、これを使って重度障害者がカフェで働くという実験もしており、社会的にも大きな注目を集めた。

オリィ氏が「孤独の解消」に取り組むのは、彼自身が長いこと引きこもりを経験して「孤独」というものを味わったからだ。この本は「サイボーグ時代」というSF的・技術的なタイトルだけども、本当のテーマは「孤独の解消」にある。「いつでもおかえり」は孤独を解消するためのコミュニティなのだけど、「いつおか」にいる方々がどのように今後を生きてけばいいのか、という悩みを抱えている方にはぜひ読んでいただきたいと思う。

特に参考になるのは「この先のコミュニティへの向かい方」の話だ。昔のコミュニティというものは村や街という地域単位のもので「自分で選ぶこと」が難しかった。だけども、交通の発達でコミュニティを選べる距離がどんどん広がったし、ネットの発展とともにいくらでも自分の好きなコミュニティに属することが出来るようになった。

しかし、一方で「どんなコミュニティにいても孤独だ」とか「ネットでもどう居場所を作っていいかわからない」という人も増えてきている。このような悩みを抱えている方での解決策も書いている。あまりこのことを書いてしまうとネタバレになるので控えるが、自由とは「逃げること」でもある、ということだし、いくらでも「選ぶことが出来る」という意味を深く考えるとが出来るだろう。

人間はすでに「科学」によって生きて生かされている。そういう意味では全員が「サイボーグ」な時代だ。その時代に「技術と融合したあなた」はどうやって生きていって、どう孤独を解消したいのだろうか?そういう問いかけをしてくる本だ。というわけでぜひ、皆様に読んでいただきたい。では。

妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。