くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第30回 「特別鼎談:発達障害ライターズ!ライターやるにも特性理解が武器になる!?」ってお話
※今回は特別編のため、ほぼ全部無料公開です!
〔く〕 はい、くら寺対談第30回目ですー。
〔寺〕 ぱちぱちぱちー!
〔く〕 節目節目に来るたびに言ってる気がしますが、こんなに長続きするとは・・・。
〔寺〕 これも繰り返し言ってますけど、まだ漫画なら単行本の折り返し点にも到着してないですからね!まだまだバリバリ突進しますよ!ネタはまだまだ尽きてないですからね!
〔く〕 ここまできたら第100回に到着したいですね。
〔寺〕 その意気込みで頑張りましょう。さて、今回は鼎談としてゲストをお迎えしました!
〔く〕 はい、ライター仲間の宇樹義子さんです。
〔宇〕 どうもー宇樹です。くらげくんとはけっこう長い付き合いで、もう5年以上の仲になるかな。互いに特性の異なる発達障害系ライターとして切磋琢磨させてもらってます。私の診断名は高機能自閉症で、系統でいえばアスペルガー系です。
〔寺〕 宇樹さんはくらげさんの知り合いで、その縁で宇樹さんのアイコンを描いたりさせていただいています。
〔く〕 宇樹さんとはネットで知り合って、ボクがライターの仕事したらとそそのかしたら、ボクより成功しちゃった方です(笑)
〔寺〕 そういう縁だったんですか(笑)
〔宇〕 くらげさんにはいつもお世話になっております(笑) てかくらげくんのほうが成功してるでしょ! 本出したり講演したりしてるし!(笑)
〔寺〕 早速ですが、宇樹さんはどのようなお仕事をなさっているんですか?
〔宇〕 守秘義務があるので詳細は話せませんが、現在は一般の就労支援関係と、英語関連のコラムが中心です。ほかにはブログを書いたりしています。
〔く〕 この前、寺島さんと「発達障害の就職先」の話をしていたんですね。そこで発達障害の場合、どうしてもフルタイムで働くのが難しいこともあって、フリーの仕事をすることも視野に入れて勉強するというのもありかな、と思ったんです。
〔寺〕 私自身がフルタイムで働いて身体を壊してフリーになったといういきさつもありまして・・・。また、発達障害を持つ当事者の学生さんには、希望職種としてライターは結構上位みたいなんです。それを踏まえて、実際にライターをなさっている二人にお話を伺えればと。
〔く〕 ボクは現在ほとんどライター業からは手を引いてますので、現在バリバリ一線でやっている宇樹さんを招集したということもあります(笑)
〔宇〕 招集って(笑)でも、そういうことなら私が話させてもらうことでお役に立てれば嬉しいです。
〔寺〕 まず、ライターになるにはどうなればいいのかしら?読者も結構興味があるところだと思うんですけど(笑)
〔く〕 ボクの場合はいきなり「本を書かないか」と編集者に言われたので参考になりません(笑)ただ、フリーの仕事としてはクラウドソーシング的なところで受注したり、知人から紹介されたりでしたね。
〔宇〕 私は最初は翻訳の仕事から入りました。テストを受けて合格すると翻訳者として登録されるサイトがあるので、そこで仕事を受けていました。そこから翻訳ライティングに発展し、そこからライティングへと。
〔寺〕 二人とも何かの資格を取ってとか、どこかの団体に所属してというわけではないんですね。そのへんはフリーのデザイナーやイラストレーターも同じです。
〔く〕 フリーライターはクラウドソーシングサイトに登録しておくだけで名乗ることはできますからね。ただ、安い仕事が多いので「食える」かと言うと難しいです。ボクは本業が忙しくなったので撤退しました。
〔宇〕 私の住んでいるところには私の特性に合うような仕事がないですし、特性上、体調も常に不安定です。どうしてもフルタイムでいわゆる普通の仕事をするのは難しいから、ネットだけで完結する在宅フリーライターの仕事は本当にありがたいです。
〔寺〕 宇樹さんの事情は私と似ているところがありますね。やはり発達障害があると人と足並みをそろえて、という仕事は難しい部分もありますよね。ライターの仕事を続ける上で発達障害がこんな風に影響している~みたいなことって、何かありますか?
〔く〕 ADHDのボクは筆が速い代わりに締め切りがやばいとかそのへんでしょうか(笑)
〔宇〕 私は締め切りを意識したことはないな。締め切りに遅れたこともぎりぎりになったことも今のところない。
〔寺〕 なんと! くらげさん、少しは見習ってくださいね?
〔く〕 は、はい。なぜ締め切りを意識しないのに締め切りを守れるんでしょうかね。
〔宇〕 くらげくんみたいに勢いで仕事を詰め込んだりしないからだよ(笑) あと、私は「納得いくもの」ならすごく調べるし、理解も早いので、それもあるかな。その代わり、納得いかないことにはまったくモチベーションわかないんですけど。
〔く〕 ボクと違うのは「納得の深さ」が全然違うところですね。ボクは「興味」さえあればなんでもしたくなっちゃう。
〔宇〕 くらげくんはなんでぽんぽん新しい仕事を請け負おうとするのか本当に理解できないよ(笑)
〔く〕 だって、数記事書くとある程度、構造分かっちゃうでしょ。構造が分かってくるとあんまり興味が続かなくなるんですよね。
〔宇〕 まったく逆!私は2~3記事まで一番労力使うしプレッシャーかかる。ルーティーンが成立してきたら書きやすくなってくる。
〔寺〕 くらげさんは「刺激」を受けるために仕事を請けている感じありますね。
〔く〕 「労力」がかかることが好きなんじゃないでしょうか(笑)そのかわりすぐにへばるんですけど。宇樹さんのバランス感覚がうらやましい。
〔宇〕 でも、私の特徴っていうのは「エンジンがかかるまでに時間がかかる」ということでもある。それに自分のこだわりに対して妥協ができないから、ライターの仕事し始めたときは本当に仕事がなくて大変だったよ。
〔く〕 それでも納得いくのを書いていたら食っていけるくらいには成長できたわけで。コツコツやるってことの大事さを感じますよ。
〔寺〕 これはライターに限りませんが、フリーをやっている人には宇樹さんタイプとくらげタイプに大きく別れる印象があります。今日のメンバーはいい具合に対照的ですね。
〔く〕 くらげタイプが宇樹タイプの仕事を進めようとしても破綻するし、宇樹タイプがくらげみたいに仕事を請け負ったら仕事が進まなくなりますよね。
〔宇〕 「自分のタイプ」をよく知るのは何ごとにおいても大切なんだけど、発達障害がある場合は障害と特性をよく考えて仕事の質とペースを考えることが不可欠ですね。
〔寺〕 本当にそうだわ-。でも、発達障害児が二人いる家庭だとそんなの自由にならないわ(笑)
〔く〕 寺島さんは制約の中で鍛えられた感じがします(笑)さて、この辺で一度切って、次回に持ち越したいと思います。2回目は具体的なスキルや仕事道具の話をしたいですね。
〔宇〕 今回は入り口の話でしたからね。いいですね。
〔寺〕 私もそれがいいと思います。じゃ、今日はこのくらいで。お疲れ様でした!
妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。