【読書感想文】会社を綴る人
なにをやってもポンコツなアラサーの青年が、読み書きという武器だけを持って、転換期を迎える会社での居場所を獲得していく。
とにかく書いて、書いて、書きまくるお話だった。
著者の朱野帰子さんのことばに、私はとても深く共感している。
と、書きつつも、少し意図が違うかもしれない。
私が現在仕事においてもっともよく使うコミュニケーションのツールは、チャットだ。対面での会話より、チャットだ。
文章の出来栄えは反応速度は、仕事全体のクオリティに大いに影響する。
幸い私は、書くことが苦ではない。なんなら、対面での会話より得意だ。人前で話すことは苦手だし、ポンコツ感が滲み出てしまうが、テキストでのやりとりなら比較的そつなくこなせる。
立場上、会社全体に向けたアナウンス文を作成することや、社内規程の整備をする仕事も多い。これも苦ではない。
しかし中には、チャットでのやりとりに馴染めなかったり、文章を読むことを苦痛に感じる人もいるので、チャット文化も良し悪しだなとは思う。
紙屋くん(この本の主人公)、チャット文化の会社に入社すれば、ものすごく活躍できるのではなかろうかと、読んでいる間ずっと考えてしまった。
少なくとも私は一緒に働きたいし、作文の楽しさを語り合いたい。
文章を読めて書けるというスキルは会社においてとても地味だけれど、その重要性を理解し、強みに変えていけるということにもっと自信を持ってもいいのかなと思った。
私は作家でもライターでもない、全然作文のプロではないけれど、これからも日々会社を綴っていこうと前向きな気持ちになれた。
この本に出会えて、そう思うことができて、なんだかすごく元気がでた一冊だった。
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