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植物は置き場所、人は居場所が大事よね。

今日のNHK「趣味の園芸」で フィカス(ゴムの木の仲間たち)のことをやっていて、「置き場所が一番大事」と言っていました。まぁ、大概の植物は 育て方云々の前に…場所さえ合えば 放置で育つのですが、日本も地域差で環境が大きく異なりますので、一般的な育て方の情報通りに世話をしているのにダメにしてしまうことは多い訳です。そうなると、『やってみないと分からない』という無責任にも聞こえるアドバイスが 実は一番正しいことになるのです。

これは、人間も同じなのでしょう。人生とは、魂が人間という着ぐるみを与えられて“体験”するものと聞いたことがあります。


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高校生の時だったと思いますが、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』を読んで 光と影と闇の間から 多くのことを感じ取れる人間の豊かな感受性に興味を持ち、空間の演出によって 人の心を動かす仕事に就ける学びがしたいと進学先を決めたはずでした。

図面とパース画を毎週徹夜で仕上げる学生生活に、違うんだよな〜と思いながら…  花が好きだったことから 広い空間に大きなアレンジを飾れる大手花屋へ就職。現場での装花は、本当に楽しい仕事でした。一生やり続けたかった仕事でした。しかし、年数を重ねて管理職の業務が増えていき、たまたま成果を挙げていたので、どんどん好きな仕事から離れていくのです。

好きなことでなくても得意なことというのがあるのを実感しました。

高評価を得ても、本人は 本当は楽しくないです。でも、期待に応えようと他者から求められることに全力で取り組み、心の声にも気付かずに ズレたまま突き進んで、ズレたまま外部でも評価され、思わぬ場所に辿り着く…。好きでなくても それなりにできてしまうから生きていける。もちろん、長く続けて来て 得たものも 貴重で大きなものだと思います。

社会の中で、他者からは 天職ですね、なんて言われて うまくいっているように見えて 本当は、ただ漂流しているだけの人って 案外多いのではないかと思っています。


植物は、育て方のマニュアル通りに 世話をしても枯れることはあります。環境が合わないのも大きな原因です。一方、水さえ満足に与えていないような所で 毎年美しい花を咲かせている植物もありますね。

我が家のローズマリー(上の写真)、  秋に庭の中の ほんの5mほど場所を変えたのですが、急に元気になりました!今までの場所は気に入らなかったのですね。

枯れてしまう前に、さっさと場所を変えれば良いだけかもしれません。植物も人も。


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