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IWAI 一周年によせて

クレイジーさんの初めての会場である「IWAI OMOTESANDO」がオープンして一年がたった。

昨日は、クリエイターやメディア関係者向けの一周年パーティーがあり、懐かしい話や、初めて聞く(ここには書けない 笑)裏話が出てきたりして、仲間とワイワイ楽しくお酒を飲みながら一年を振り返る最高の一日だった。

ほろ酔いで気分良くひとり会場を後にした僕は、夜風を浴びて表参道の街を歩きながら、今度は一人で、IWAIとの出会いから今日までを振り返った。

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IWAIとの出会い

2018年のある日、滋賀県でのロケハンを終え、京都のホテルへ戻る道中でクレイジーの山川さんから着信があった。

今思い返せば、それが僕とIWAIが出会った瞬間だ。

おぼろげな記憶で細かくは覚えていないが、その時は「クッポグラフィーにIWAIで撮影してほしい」という依頼ではなく、写真サービスそのものについての相談だった。そして、IWAIという名前もまだなかったように思う。

とにかく「何か新しいことが始まるんだな」ということだけは、話の内容から感じ取った。

クレイジーさんが実現しようとしている未来で、今より人が不幸になることはないと僕は思っているので、基本的には普段から何でも協力するつもりでいる。

この時も、うちが報酬をもらえるとか、関わることで利益を上げるとか、そんな話は一切なかったけど、自分の写真事業での経験をシェアしたり、数字を出したりするなどして、山川さんが求める情報をできる限り伝えさせていただいた。

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誰とやるか

それから二ヶ月くらい経った頃だろうか、クレイジーさんがIWAIという場所を持つこと、新しい結婚式を作っていくことなどを山川さんから聞いた。

もちろん提携の相談も。クレイジーさんの両国オフィスへ行く前は「クッポさん含めて三社くらいに会うつもり」なんて言うもんだから、「なんか面接みたいだな」と思いながらも、オフィスで話したのは当時のウェディング業界への疑問だったり、何が本質かということ、それから業界はどうあれ自分たちはこうありたいよねというような、業務提携うんぬんとは全くかけ離れた内容だった。

六年も一緒にやっていると価値観が似てくるのか、似ているから六年やってこれたのか、それはわからないけれど、話が終わって席を立った時に「じゃあ久保さん、お願いね」と提携が決まっていた(笑)

いつの時代も大切なのは「誰とやるか」ということだ。

事実、クッポグラフィーには大手撮影会社のような潤沢な資金はないから、商品価格などの金額的な面でのバックアップはできないし、新規会場の立ち上げに寄与したという実績もない。

クレイジーさんには、うち以外の会社と面談をして、前述のような物質的なメリットをより多く持つところと提携をするという選択肢もあった。

でも、山川さんが選んだのは僕らの「思い」であり、日々の仕事や会話の中から感じられる「価値観」であり、もっと単純に言えば僕やクッポグラフィーという「人」だ。

そうやって何も持っていない僕らを信じてくれたことが、「IWAIの写真を最高のものにしよう」という僕の気持ちに火を付けたのは間違いない。

結果的にIWAIの写真をどういう思いで作っていったかということは、また次回の投稿で詳しくお話ししたいと思う。

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初めからそこに存在している結婚式場なんて一つもない

今回の投稿を結びとする前にどうしても書いておきたいのは、「初めからそこに存在している結婚式場なんて一つもない」ということだ。

結婚式場で結婚式を撮影するということを、奇跡的なことだと感謝しながら撮影しているウェディングフォトグラファーなんてほとんどいないだろう。

「この会場は絵になるところが多い」とか「融通が効かない」とか、せいぜいそれぐらいの観点しか持っていないと思う。

「今日、IWAIで一組のカップルの結婚式が行われた」

という一文の背景に、思いを馳せられる人がどれだけいるだろう。

僕がクレイジーのオフィスで山川さんから聞いた熱い思い。それと同じ思いで結婚式の新しい価値を伝えたいとたくさんの仲間が集ったこと。

そして皆で日夜あーでもないこうでもないと議論を交わしてサービスや商品の考案をし、さらには自分たち自身がIWAIを理解することに多くの時間を費やしたこと。

それから、会場を持つと決めたけれど、本当にうまくいくかどうかわからないという不安に、押しつぶされそうになった日もあるかもしれない。

クレイジーの皆がIWAIの結婚式を作っていくのをそばで見せてもらったおかげで、ウェディングフォトを撮りはじめて10年目にしてようやく、そんな基本的なことに気づくことができた。

IWAIが存在していること、そこで多くの人が結婚式を挙げていくこと、IWAIの結婚式を撮影できること、それらすべてが当たり前ではなく奇跡であって、人の思いが作り上げたものなんだということを、しっかりと胸に刻もう。

改めて、IWAI 一周年、おめでとう。

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