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ドラマ「相棒シーズン13」(相棒:成宮寛貴)【第15、16話”鮎川教授最後の授業”感想】ギョッとするような命題とキュッとするような右京の追求

今回は右京と美彌子が主人公。発端は右京の大学時代の恩師である鮎川教授の古希を祝う会に行ったことから始まる。(とは言え、当初右京は行きたがらなかったがカイトくんに促されて半ばしぶしぶ向かったという流れがある)一方で、カイトくんの彼女・悦子が妊娠していることを知って喜ぶ二人、そしてカイトくんも父親との関係修復に前向きにもなったようでとてもいい傾向だ。

カイトくんの相棒としての幕引きが近かっただけに彼らの動向が気になったが、そのまた一方で右京達は大変な状況に巻き込まれていたから息をつく間もない。鮎川教授により会の席で眠らされた挙句、気付いたらいづこかの地下室に家政婦を除く一同が監禁されてしまっていたのだ。

そこには鮎川教授が出したギョッとするよてうな命題、
「なぜ人を殺してはいけないのだろうか?」
を回答するための用紙が用意されていた。どうやらこれにちゃんと答えなければまず出られそうにないようだ。
(答えたとて出られる保証もないが、それでも…である)

こうして見ていくと、鮎川教授の出した命題の意図、そしていかに右京達を助け出すか、が主軸には置かれているようではある。だが、悦子が妊娠で喜んでいたのも束の間、彼女の体が深刻な状況だという。もしかしたら、このことがカイトくん引退の引き金になるのかという勘ぐりを持ちつつ見ていったわけだが、作品上でこれだけでなくいろいろなことが起きすぎて頭がパニックを起こしそうだった。

これだけでも大変なのに、極めつけの事柄があった。事件の終盤、ある人がある人を撃ち殺してしまったのだ。(ネタバレ考慮で一応「ある人」とだけ言って名前は伏せておく)傍目には正当防衛だし、撃った本人もそうだと言う。だが、右京はしつこいぐらいに追及する。「殺意が本当になかったのか」と。とても胸がきゅうっと締め付けられそうになった。確かに右京は正しいのだろうが、あくまでもどこまでも「正義(のような何か?)」を貫く姿勢に、ある一種の恐さを感じたからだ。

見応えは時間的にも内容的にも十分にあった話だった。これぞ「相棒」と言っていいぐらいだ。だが、兎にも角にもしんどい話でもあった。振り返ってざっと見返しつつ、こうして記事に起こすのもしんどいほどだ。だが、それでも見たくなるのも「相棒」の持つ魔力のなせるわざなのだろう。もうすぐシーズン13も終わりを迎えようとしているが、他のシーズンも時間を見つけつつ見ていきたいと思う。とは言え、まだシーズンとしては3話が残っている。心して感想を引き続き書いていきたい。

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