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ドラマ「金田一少年の事件簿」(松本潤Ver) 【第8,9話”露西亜人形殺人事件”感想】”佐木”である必要があったのかが大きな疑問

原作単行本ではCaseシリーズ5作品目「露西亜人形殺人事件」(上下巻)
に収録。ドラマシリーズも最後を締める話だ。ロシア調の建物の外観、そして内装や各部屋の仕掛けの数々。露西亜人形、バイオリンなど楽器類、鍵など小道具も、あちらこちらで醸し出す雰囲気はとてもよく再現してて今回も感心しきりだった。キャスティングも黒沢年雄さんを筆頭に、宍戸錠さん、そのまんま東さん、片桐はいりさん、山咲千里さんとなかなか豪華な顔ぶれだ。

そして今回は「地獄の傀儡師」であり高遠遥一(藤井尚之)も登場する。(SPドラマ「魔術列車殺人事件」で既に出ている)じぶんは先に4代目「金田一」で成宮寛貴さんが演じている高遠で見慣れてしまっていたのもあるが、2代目「金田一」の高遠はイメージ的にどうもしっくりこなくて違和感しかなかった。(原作では仮面で顔を隠してはいるが、最初から堂々と出てきてるのに対して、ドラマでは黒サングラスをしてチンピラのような風貌な上に、こっそり入り込んでるのも同様に違和感。)

そんな高遠はまだよしとしよう。だが、それ以上に今回の佐木の設定に対する違和感が大きかった。今まで佐木は顔は何度か見せてはいたけど、はじめたちとはほとんど絡みがなかった。それなのに今まで仲良かった風に、はじめたちを露西亜館に誘うという展開がまず不自然だった。何が何でもという勢いで遺産が欲しすぎるあまりに、そんな”仲のいい”はじめたちを欺いてまで高遠に協力した佐木にもさらに違和感。そんな彼に対して、はじめや美雪が悲痛なほどに思い悩むシーンもあるが、そもそも彼らと”仲がいい”所をほぼ見たことないだけに感情移入ができずに白けて見えてしまった。(4代目ほど絡みもあって仲が良ければ、また違って見えていただろう‥)

なぜここにきて急に佐木を表舞台に出してきたのだろう。原作の通り初出の登場人物「犬飼」で良かったのではないだろうか。それでも敢えて佐木に彼の役割「も」させたのだというのならば、今まで分かりやすいぐらいにはじめたちと絡ませてほしかった。2代目「金田一」で最も残念な点が最終話で出てきてしまった気がしてならない。

とは言っても、他の部分はとても最終話にふさわしくとても見応えがあった。話全体もそうだが、はじめと美雪のマジックミラー越しにはじめが美雪にキスをするシーン。原作では口にだったが、ドラマでは耳にではあるが、キスのあとが鏡に残るところ、それをふき取るところ。これはこれで妙にドキドキして良かった。(最後の最後、ちょいとイチャイチャするところも)

また、原作ではほぼ出番のなかった剣持さんを最初から登場させたこと。そのために話が変わった部分も多かったが、彼まわりの話に関しては違和感は特に感じなかった。それこそはじめたちとの今までの仲のよさが手伝ってくれたおかげもあり、ドラマをうまく盛り上げてくれていたように思う。”もし、剣持さんが「露西亜人形殺人事件」に登場したら”というちょっとしたパラレルワールドのように楽しめたという意味でも、最終話で三人が揃ったという意味でも良かった。

それから高遠の風貌には馴染めなかったが、はじめと高遠のシーンもなんとも言えない緊迫感と、ふたりの対比がうまく表現されていて良かった。

こうして2代目「金田一少年の事件簿」ドラマシリーズも見終えてしまった。佐木に関してはどうしても残念でしかないが、この松本潤くんの「金田一」もまた他と違った味わいがあって良かったと感じられるまでにはなっていたのは収穫だった。彼のはじめでじぶんが未視聴なのは「魔術列車殺人事件」を残すのみ。楽しみながら最後まで味わっていきたい。

追記:
のちに見た「魔術列車」では佐木が出てたのは確認。とは言え、ドラマシリーズでは最終話以外ほぼ絡みないので違和感はやはり拭えず‥。

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