愛していたからだよ。
透明のビーズを繋ぎ合わせて作られた心臓。
てぐすがぱちんと切れるとバラバラになって
涙として、外界にこぼれ落ちる。
私の命って、
本当にどうしたって消えないような命。
深い呼吸に犯されて指先から痺れる。
真夜中に背後から刺される妄想をする。
毎日、まいにち、まいにち、
せっせと、せっせと。
それでも消えないような、命。
私
君のための綺麗な人になりたかった。
君のために心の底から傷ついたり、
君のために心の底から優しい言葉をかけられる人になりたかった。
「ぜんぶ君のために」
そう思って伝えてみたかった。
「命すら君のために」
そう思って使ってみたかった。
だけど私はそういう盲目さを許せない。
愛に、寛容になれない癖に
怖くて手放すことはできない。
愛を、諦めきれない。
まさに、半殺し。
自分の薄情さも弱さも
簡単には受け止められなくて
めそめそと泣いてしまう。
それはね、愛していたからだよ。
目線を合わせられない。
本当の気持ちを見透かされるような気がするから。
「そんな目で僕を見ないで」と言われる気がするから。
可愛らしくないと許されない容姿なんて
美しくないと認められない心なんて
いらない、いらない。
だけど、今日も大切に抱きしめて、だきしめて、だきしめている。
愛されないと、意味がない。
なんて、私じゃないみたいだ。
でも、本当に私みたいだ。
君の心がほしい。
だから「大好きだよ」
笑って、笑って、
その後で泣き崩れてよ。
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