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俗にいう「憎しみ」を抱えて生きていた

昔、というにはまだ早すぎるかもしれないけれど
私は憎しみを糧に創作をしていたと思う
怒り、悲しみ、寂しさたちを
ごちゃごちゃに混ぜた黒い感情
いつの日か
忘れるために「さようなら」を告げて
扉の向こうにしまったはずの感情

隠して、押し込めて
なかったことにしようとした
はずなのに
押し込めれば押し込むほど
溢れてくる、雪崩みたいに

黒い感情たちは
白紙を丁寧に染めていく
気づけば文字になっている
それを
「綺麗」って言う人
「濁ってる」と言う人
「好き」って言う人
「嫌い」って言う人
いろんな人がいるね
全部
それぞれの感想、それぞれの相性、好み

本当に綺麗かどうかは、
本当に濁ってるかどうかは、
誰も決めてくれないし、誰にも決められない
もちろん自分すら決められないのだと思う

価値観の海に押されて、引かれて
それでもただ、ゆらゆらと浮かんでいる
もしかすると私の感性は
私よりも強かなのかもしれない

あなたの感性もあなたが思うより
強かなのかもしれない

これはね、一意見でしかないけれど
いつも愛想良くしているあなたよりも
いつも頷いてよく話を聞くあなたよりも
大切な人にいつも「大好き」って言えるあなたよりも

何か言いたげな表情を浮かべるあなた
ちょっとだけ意地悪な気持ちが湧いてくるあなた
そんな自分をまた少し、嫌になるあなたの方が
ずっと人間らしくて愛おしく感じる

私たちはきっと
自分が思うより悪人じゃないし
自分が願うより善人じゃない

天使みたいに見える
あの子の中身なんてわからないけれど
たぶん、心臓があって、脳みそがあって、血液が流れてる
人間だよ

人に愛されたいこと、愛したいこと
優しくしたくなること、意地悪したくなること
お腹が空いたこと、お腹いっぱいなこと
楽しみなこと、不安なこと
逃げたくないこと、逃げたいこと

なんか 
ちいさくてかわいい生き物みたいな感情たち
定期的に「そうだよね」って  
優しく撫でてあげると

いつか
棘や台風からあなたを守ってくれる盾になってくれるかも

それでも、
自分1人で受け止められない時には
その気持ちを誰かに話してみるといいかもしれない

あのね、から始まるあなたのお話
絵本を開くよりもずっとずっと
勇気がいるお話
涙が溢れてしまうかもしれない
うまく伝えられないかもしれない
分かってもらえないかもしれない
それでも溢れているあなたの気持ち


「憎しみ」「自己愛」「孤独」「ひねくれ」
気持ちの名前なんて、結構どうでもいいことで
気持ちの在り方を説明するための1つの方法でしかない

人の数だけ気持ちがある
色、音、スピード、言葉、描き方、透明度がある

理由なんて、名前なんて、
立派かどうかなんて
生産性があるかどうかなんて
生きてる理由なんて
分からないまま生きていく

いつだって見つけ出したい答えは
その先にいる


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