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回顧録

私のお父さんは会社は守れたけど、家族を守ることはできなかった。

私のお母さんは自分の正義は守れたけど私を守ることはできなかった。

何かを守ろうとすると
必ず何かがこぼれ落ちることを知って、
私だけは私を守ってあげようと覚悟した。
例えどんな犠牲を払ってでも。

だから仮初の愛や関係を繋ぎ止めることに犠牲を払うのはやめた。

昔はそんなものたちに一生懸命になって、
体力も心も言葉も削った。
それでも
「ありがとう、だいすき、やさしいね」って
言ってもらえたら
なんか報われた気持ちになってた。

でも、
優しさで買える関係ってなんか虚しいよね。
優しさで買える愛ってなんか寂しいよね。

だから
優しくなくちゃ保てない関係とか
美しくないと聞いてもらえない声とか
可愛らしくないと抱きしめてもらえない心とか 

そういうのは毒なんだと思うよ。
自分の価値も感覚も麻痺させる毒。

だって
私たちはどうしたって欲に塗れているから。
傲慢で、強欲で、脆い生き物。
優しい目で人を見下してる。

少しずつ、少しずつ、
確実に減っていく時限爆弾のカウントダウンに
恐れながら生きている。
自分の愚かさがばれませんように、
あの人が離れていきませんように、
永遠が続きますように、って。

そういう願いが今日も人を傷つけるのに
お星様に健気に願ってる。
その願いを綺麗って言って見惚れてる。

だから心底、

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