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レビュー「秋山竜次/CF#56 石丸ツワノ(童謡詩人)」

ロバート秋山さんプレゼンツ、クリエイターズ・ファイル。
秋山さんがいろんな職業の方になりきって演じているクリエイターズファイル。
(※この記事は、個人の妄想です。)


今回取り上げるのは、日本人のこころ、石丸ツワノ。
代表的な作品に加え、新たに発見された詩も今回公開されている。



既に終わってしまったが、2019年に東京古典美術館で開催された石丸ツワノの世界展の紹介VTRだ。
石丸ツワノ(1840年〜1925年)は福沢諭吉とほぼ同時期に生まれ、晩年まで精力的に詩の創作活動をした日本を代表する童謡詩人である。

「いぬき」

これはツワノの作品の中でも有名なのでほとんどの方が知っていると思うが、私はものごころつくまで「いぬき」ではなく「猪木」=闘魂の詩だと思っていたというのは今となっては懐かしい思い出だ。

居抜きはコンビニの居抜きをうたったもので、看板、内装、塗装、いろんなところにその余韻がある、と作者は感じたのだろう。
建物は残っているのに、そのテナント自体は既に無くなってしまったという、居抜きならではの寂寥感。
「ほっ」という語感は、素直な気持ちを表現している。ツワノならではの表現だ。
奥行きと、侘び寂びを感じる詩だ。

「まんまる」

まんまる、という題名からして人々の輪や絆、あるいはボールなどの丸い球体をイメージする人が多いと思うが、菌について描かれている意外性が面白い。
「オールマイティー」「一つにまとまれ」は菌に対しての斬新な発想だ。

物見て風見て なんか思うとること
言わんちゅうことは もったいない


「もろもろ」

これは私が一番推したい詩。略して「推詩(オシ)」だ。
ツワノのお孫さん、静也さんと一緒で何だか嬉しい。
このビジネスシーンでも即活用できそうな詩は実用性も高く、また日本人に固有の「空気」感が満載だ。
私は朝の身支度でこの詩を唱えてから通勤列車に乗っていた。
すると不思議なことに、毎日、ツワノが心の中にいてくれるような気がして心強かったのを思い出す。

「らがん」

先の先まで見えるという、ツワノの裸眼。
言葉が力強い。

「あなたのその眼は真実を捉えているか?」
という、ツワノの本気の問いかけが聞こえてくるようだ。

「これこれどして」

コメダ珈琲のシロノワールに乗っているクリームのことだろうか?
クリームソーダのクリーム?
ウインナーコーヒーのクリーム?
特に断定していないので分からないが、それを特定するのは野暮なので、読んでいる人が想像したそれぞれの「クリーム」が全て正解なのだと思う。

心がこもっているものなら勝手に聞くんだど
物事はなんでもそうだて

「真っ赤っか」

「上も特上も一切れほおばりゃじゅうぶんほっ」と言ったと思ったら、赤身は「そんな風には我はなりたくない」のだという。
タイトルと同じような、真っ赤な情熱を感じる。


ツワノが詩に残してくれた心をいつまでも大事にしていきたい。


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