シン・リハビリの考え方


脳卒中( 脳出血)の片麻痺におけるリハビリについて考えたい。
はじめに言っておくが、治療は少なくとも現在は自然治癒しかない。
脳の可塑性により、脳の代償を作る事が治療と言うならば、一番の治療法は睡眠かも知れない。
また、治すところは脳が壊れたところである。

脳医学者は、どうしても脳の使われ方が基礎になる。
まず、脳の端から始まり、運動ホムンクルスを考えてしまうのだろう。
治すところは、もっと体に近い部分、代償を作る部分なのに。

療法士(セラピスト)は、どうしてもリハビリが基礎になる。
まず、体の端から始まり、皮質脊髄路や皮質延髄路を考えてしまうのだろう。
治すところは、もっと脳に近い部分、代償を作る部分なのに。

脳卒中( 脳出血)の患者は、処置( 治療ではない)が終わると、リハビリ(治療ではない)に廻される。
一方、患者は治してもらっていると勘違いしている。
まさか、医師や療法士まで勘違いしているとは思いたくないが、高次脳機能障害が強い患者でなければ、それを教えてほしい。
少なくとも私は、そうだった。

判断基準は、治るか治らないかだけであるが、それは誰にも判らない。
ただ、患者が、治したいのか、治すより先にやりたい事があるのかを決める権利はある。
逆に、患者は、医師や療法士に任せ頼るだけではなく、決める義務、すなわち責任もあるのだ。
医師や療法士に責任を押し付けるのは、あまりに酷である。

治療すると決めたら答えは簡単である。
一般のリハビリとは、順番も処置も、逆になるのだ。

逆に、能動的な運動ができる様になって、初めて受動的な運動(一般のリハビリ)がようやく始まる。
逆に、ロボットや機器を使って覚えさせる必要もない。
逆に、抵抗運動で無理に筋力を増強する必要もない。
逆に、力の調整も治って思い出せば調整できる。
筋緊張の状態はリハビリでは治せないだろし、ADL訓練も脳の代償ではなく手足の代償を作るだけである。

シン・リハビリの考え方は、簡単に言うと以上の通りだが、人は知識ばかりで、知恵がないのではないかというのは、私の誤解で、私には知恵も知識も無い事を祈りたい。


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