note版 哲学ダイアグノーシス 第二十号 シュタイナー
<note版>
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<哲学ダイアグノーシス>
第二十号 シュタイナー
皆さんは「シュタイナー学校」をご存知でしょうか? 1919年、オーストリア出身の哲学者・思想家ルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner、1861年~1925年)がドイツ南部ヴュルテンベルク州シュトゥットガルトに設立した学校で「自由ヴァルドルフ学校」とも呼ばれます。その独特の教育方針やカリキュラムは幅広い共感を得て、現在では世界中に800校近くの姉妹校があるそうです。日本にもいくつかのシュタイナー学校があり、また、独特の教育方針やカリキュラムは日本の教育研究者たちにも注目されています。
さて、シュタイナー学校の教育方針やカリキュラムは、シュタイナーの思想である「人智学」に基づいています。しかし、特に日本では、シュタイナー学校やシュタイナー教育について語られることは多くても、人智学をはじめとするシュタイナーの思想そのものについて語られることは、これまであまりありませんでした。それは彼の思想が、一種のオカルトとしてとらえられてきたからです。たしかに、シュタイナーの思想にはそのような側面があることは否定できません。たとえば、シュタイナーの著作には、『神秘的な事実としてのキリスト教と古代の秘儀』、『神秘学概論』、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』、『霊界の境域』といったタイトルがつけられています。シュタイナーのこういった著作は、かつては哲学書や思想書のコーナーではなく、いわゆるスピリチュアル関係のコーナーに置かれていました。
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