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【STAND UP FOR ANIMALS動物愛護シンポジウム】覚書き①

4月21日、保護猫カフェ「ねこかつ」さん主催の動物愛護シンポジウムに参加しました。
https://ameblo.jp/cafe-nekokatsu/image-12838097691-15393870447.html

「ねこかつ」さんは、埼玉で猫に特化した保護団体で、保護猫カフェとしても有名。

保護活動も日本全国に展開しており、TNRはもちろんのこと、沖縄のノネコ問題や、トラバサミ被害問題など、多岐にわたり行っています。

Panasonicや島忠と協力して行われる譲渡会も有名で、本当に猫のために奔走してらっしゃる、頭が下がる団体です。

21日のシンポジウムは、「STAND UP FOR ANIMALS(動物のために立ち上がれ)」と銘打って、動物福祉業界の著名人が集まって、
講演会を行いました。出演者は以下の方々。

杉本 彩さん(すぎもと あや 女優・公益財団法人動物環境福祉協会「EVA」代表理事)

橋谷田 元さん(はしやた げん 埼玉県保健医療部生活衛生課課長)

太田 匡彦(おおた まさひこ 朝日新聞記者)

岡田 千尋(おかだ ちひろ 認定NPO法人「アニマルライツセンター」代表理事)

太田 快作(おおた かいさく ハナ動物病院院長。映画「犬部」主人公モデル)

この方々以外にも、会場に駆け付けた超党派の議員による動物愛護議員連盟の議員さんによるコメントなどもありました。

会場のレイボックホールは1400席。そのほとんどが埋まっているという大盛況。

最初の挨拶で、「動物福祉のシンポジウムで1000人以上の人たちが参加したのは、恐らくほかにないのではないか」と「ねこかつ」の
代表梅田さんもおっしゃっていましたが、正に、驚きの光景でもありました。

余談ですが、私はオペラのスタッフを長いことやりましたが、1000人越えの客席はそうそう見たことありません。

色んな効果があったでしょうが、それでも、今は動物愛護に関心が高いのだと感じて少しく興奮しました。

何回かに分かれますが、とりあえず講演会で聴いたこと、感じたことを覚書として彩々王国に書き留めておきます。

【杉本 彩さん】
動物愛護にかかわっている人間ならば、女優の杉本さんと「EVA」と言う愛護団体のことは、周知。
特に「EVA」では、動物虐待事件を刑事告訴し、実刑に持っていくという大変な活動をなさっています。

彼女自身は、幼いころから動物を愛し、動物に囲まれた生活をしており、動物愛護の世界へ導かれるのは当然のことで、芸能人となったからには、啓発活動を行うのが一番良いということで、顔出しのリスクを背負って活動しています。

「正直怖いです」と言う言葉が、真実味があったのは、やはり芸能人らしく、彼女のイメージ通りに明るくお話をなさっている裏に、どれだけ
大変なことがあったかと想像できるから。

SNSで活動報告を見ても、「EVA」が取り扱う事件はかなり深刻な動物虐待案件です。

■長野の繁殖業者「アニマル桃太郎」事件
これはニュースにも取り上げられましたから、ご存じの方も多いかと思いますが、二つの繁殖施設において、犬1000頭を適切な飼育をせず、
獣医師免許を持たない従業員らによって、無麻酔の帝王切開で子犬を取り上げる、という残虐な虐待が行われたということで、刑事告発されたものです。

繁殖業者での環境不備の際、よく言われるのはケージの重ね置き。
身体がの幅くらいしかないケージに複数頭収容し、糞尿も垂れ流しという状態。

生まれた子犬、子猫はオークションでの販売が主だったそうです。

内部告発により露呈されたそうですが、当の代表の言い分は「近くに獣医がいないから、妊娠間近の犬を救うためにやった。行政が獣医師を置かないからだ」
などと、明らかに開き直っている内容。

この団体は14年前からこういうことをやっているようですが、実は、業界の中では医療行為が慢性化しているそうです。
そういう意味では、行政の関わりがないということが、こういう結果を生み出しているといわれても、しょうがないかもしれません。

また、京都でも獣医師免許を持っていない夫婦のブリーダーが、一応麻酔はやっていましたが、帝王切開を行い、マイクロチップの挿入も行っています。

■なぜ、こういうことが起こるのか?
結局は経費削減と、多頭数を早く販売したいということだと思うのですが、その先にはオークションという場が存在し、ペットショップへ流通され、消費されるという流れがあります。
その流れを断ち切らない限り、こういう事件は止まらない。

人間は、欲が絡むと鬼にでもなれる。「消費するもの」と思えば、犬の地獄苦しみなど、意味のないことなのでしょう。

そして行政が取り締まれる法が確立されていないのことが、もっと問題です。今回は内部告発ということがあり、法が介入する入口があったわけですが、今も悪質なブリーダーが存在することは否めません。

■ペットショップ
ショップにおいて問題なのは、8週規制です。
今現在、動物愛護法では生まれてから8週目までは販売ができないことになっています。
しかし、その生年月日を裏付ける法律がありません。
例えば、生まれたその日に届け出をするとか、ハッキリした規制がないため、いくらでも偽って出品することができます。

その理由は、小さな動物を消費者が望むから。

生まれてから4週目、つまりひと月くらいだと、犬も猫も、ほかの動物も、赤ちゃん赤ちゃんとして、本当にかわいらしいですよね。
そのぬいぐるみみたいな犬猫を実際に抱かせて、衝動買いを促すのがペットショップのやり方です。

それが8週目、2か月くらいになると、手足も長くなり、毛も大人の毛に変わり始め、ぬいぐるみ感は薄くなります。

なので、杉本さんは声を大にして「幼齢動物の販売禁止」と訴えておられました。

また、今回環境省でアンケートをとった結果、生年月日の改ざんなど、なんらかの法令違反が7割の業者にあったそうです。これでは、動物愛護法が改正されても、意味がありません。まだまだ抜け穴はたくさんあるのです。

■愛護団体の虐待、または詐欺
この問題も最近よく聞くようになりましたが、横浜の某愛護団体が保護動物たちに暴力を振るっていたと言う事件がありました。

また、ペットショップで売れ残った、あるいはオークションで売れなかった子を引き取り、「保護動物」として譲渡するという詐欺も発生しています。

これは「愛護動物」=「かわいそう」を売りにする「商売」であり、そういう団体が売れ残った動物たちを引き取ることを「仕入れ」と杉本さんはおっしゃってました。

こういう愛護団体は、お世話料や寄付という形で、譲渡の際に高額の費用を請求したりするそうです。これは、私は初めて聞きました。

■今後の課題
ペットショップや繁殖業者の販売を禁止するのは、「営業の自由」という観点から、ハードルが高い。
とにかく一つずつでも、規制を正当化するべきだと杉本さんはおっしゃいます。
①幼齢販売の禁止
②繁殖場やショップへの獣医師の常勤
③ブリーダー等の登録制の導入

そして、特別おっしゃっていたのは、「緊急一時保護制度の制度化」です。
ペットの飼い主は「所有権」を持っています。
この壁は厚く、たとえ虐待があって保護できたとしても、飼い主が所有権を手放さない限り、動物たちはまたその飼い主のもとへ戻されるというスパイラルが起こるのです。

これが不幸の連鎖を生むことは、簡単にわかりますよね。

最後にこうおっしゃってました。
「人間の気持ちと法で、動物(環境)は変わる」

本当にそうだと思います。
逆を言えば、動物たち自身に問題は何もなく、結局は関わる人間たちがどんな状態かで、彼らの環境は大きく変わってしまいます。

もちろん、幸せに暮らしている動物たちもたくさんいます。
けれど、不幸な状況に置かれている動物たちが、結局は犠牲とともに私たち人間を告発しているのであれば、それはとても辛く、申し訳ない事実です。

【彩々王国として】
このnoteは動物に特化したいと思っているわけではありません。
日々私はこんな風に、気になる、興味があるものにアンテナを張っています。
なので、たまたま気持ちのタイミングがあったものを、書いて発信したい。
王国は、様々な国や人で成り立っています。どんな人が、この国を作っていくのか、そこがポイントなのです。

しばらく、フォーラムの関連記事を書いていきます。
ご興味あれば、次も読んでくださいね~(^^)/

全ての動物、人間たちに愛をこめて。

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