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水族館で考えるリアルの価値
この前13年ぶりに水族館に行ってきたのだけれど、懐かしいなぁと思うと同時に、僕が小さいころに行っていた水族館とは何か雰囲気が違う気がしたのです。
それは別に、水族館にいるお魚が違うとか、館内のデザインやレイアウトが変わったとかそういうことではなくて、もっと、なんというか、根本的な何かが変わったような感じがしたのです。
そんな僕はその「何か」をずっと考えながらお魚さんたちやペンギンさんを見ていました。
「おかげでどんな種類のお魚がいたか全然思い出せないね!」
結局、ずっと水槽を見ていても僕が抱いた違和感はどんなに考えてもよく分からなかったので、あきらめて後ろのベンチに腰を下ろしたのですね。そしたら「はっと」気付いてしまったのです。
それは
水族館が変わったのではなく、水族館に訪れている僕たちお客さんが変わっていたのです。
どういうことかというと、
お客さんのほとんどが、リンゴのマークが印された機械の画面越しでお魚さんを見ていて、というよりは記録していたんです。
そして、記録が終わるとすぐ水槽から目を離して、再びリンゴのマークが印された機械を見るから、
僕はお魚さんを見る為にほとんど並ばなくてよくて、ずっと見ていることも可能だったわけです。
僕が小学生男子校だった頃、人気なお魚さんやペンギンさんを見る為には並ぶ必要があって、やっと見ることが出来るポジションについても、後ろの方のプレッシャーに負けてすぐ譲っていたのです。
それは確かに面倒だったけど、その分見られた時の感動もあって、「来てよかったぜ!」と幼い僕は思っていました。
だから今回の違和感は、おそらくその感動が無かったことと、観覧中に聞こえてくる音が、お魚に対する「可愛い!」や「面白い!」というお客さんのコメントではなく、カメラのシャッター音とそれに伴う
「撮るよ~!」や「手ぶれヤバイ❗️」などといった人と機械とのコミュニケーションになっていたことが、原因で生じたのだと僕は確信しました。そして思わず
「これもう水族館じゃなくてよくない?」
というツッコミを心の中でしてしまいました。
では、リアルの価値ってなんでしょう。
続きが、気になる方は是非
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