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カーコラム「PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.18 最終回」

 早戸川林道でのシェイダウンテストの結果、我がPF60型ジェミニZZRラリー仕様は交換したラリー用スプリングに対し、それをコントロールするショックアブソーバーの減衰力が不足している事が判明した。

 しかし、欲を言えばキリがなく、ノーマルから比べれば飛躍的にそのポテンシャルは向上したので、取り急ぎ走り込んで細かいセッティングを煮詰めることにした。

 走り込みにあたり、神奈川県の津久井湖町を起点とするターマックとダートを織り交ぜた模擬ラリーコースを設定するため、約2ヶ月間マップル片手に深夜のドライブを続けた。

 第三京浜から保土ヶ谷バイパスを経て国道16号線を北上、橋本から津久井湖方面へ抜け、三ヶ木交差点を左折して国道412号線を厚木市内方面にしばらく南下。青山交差点を左折し、そのまま国道413号線(通称・道志道)に入る。

 国道413号線上に設定された数か所のハイアベ区間(?)をこなしながら、どんつきの平野交差点まで一気に抜ける。これがエタペ1。

 平野交差点を右に曲がり、山中湖に沿って県道729号線をひた走り、明神前交差点を右折して国道138号線に合流、そのまま河口湖方向に走り、陸上自衛隊の北富士演習場を目指すのがダートコース。

 同じく平野交差点を左折して、国道138号線の旭日丘交差点のT字路を左折して篭坂峠を越え、御殿場市街を経由して乙女峠、長尾峠、箱根スカイライン、箱根ターンパイク延長道路を一気に駆け抜けて大観山に到るのがターマックコース。

 毎週末、いずれかのコースを走り込んだ。その結果、ショックアブソーバー(トキコプロドラGヘビー)は3ヵ月でスカスカとなり、換装から僅か3ヶ月でショックアブソーバーの交換とあいなった。

またローンが・・・と言いながらも市販されたばかりのKYB SUPER SPECIAL For RALLY(カヤバ・スーパースペシャル・フォー・ラリー)をチョイスし換装した。

 ISP(イスズ・スポーツ・パーツ)のラリー用スプリングを基準に減衰力が設定されたこのショックアブソーバーは当然ながら最高のマッチングとなった。

 それまで、ショックアブソーバーの減衰力不足により、スプリングの動きを充分にコントロールできず、ロール角と時間の制御にズレがあったサスペンションの動きがピタリとシンクロした。

 これで足回りはほぼ満足のいくセッティングとなった。しかし、走り込むにつれ今度はブレーキセッティングに不満を感じるようになった。

 当初装着していたレプコのメタルブレーキパッドは、耐フェード性は高かったが効きはいま一つ(特に低温域)であった。

 そこで、ショックアブソーバーの交換から2ヶ月後にフロントのみ日立フェロードN2424Fに交換した。

 日立フェロードN2424Fは英国のフェロード社と技術提携を結んでいた(当時)日立化成が国内で製造するスポーツ走行用のブレーキパッドである。

 峠やストリートで重要な低・中温域で安定した摩擦係数が発するよう維持するように設計されたこのブレーキパッドは、ローター温度が低い状態でも安定した制動力を発揮する。

 ブレーキペダルに足を乗せた瞬間から強烈な減速Gが体感できるこのブレーキパッドのお陰でブレーキポイントを遅らせる事ができるようなった。

その結果、バシっと決まったサスペンションと相まって、そのコーナリングスピードは飛躍的に速くなった。

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