見出し画像

カーコラム「ISUZU PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.10」

 ZZ Rを購入から一年が過ぎた頃だった。

 某大学(友人の学校)の自動車部の練習会に誘われた。

 場所は広大な自衛隊の北富士演習場。日時はその週の土曜日の深夜11時。集合場所は富士吉田インター近くのデニーズだった。

 練習会当日、フジテレビの「俺達ひょうきん族」をエンディングまでしっかり観て、午後9時30分頃に自宅を出発。首都高から中央高速に乗り富士吉田インターまで一気に走り、午後10時40分に集合場所に到着。

 一息入れた後、デニーズを出発して国道139号線を御殿場方向に進み、山中湖のそばで右折して戦車が通れるほど広い直線の未舗装路を上りきるとそこは北富士演習場の入口ゲートだった。

 警備の兵隊さんが立っていて中には入れないので、右折して演習場を取り巻く周回路に入る。

 演習場の周回道路はまさにダートの宝庫。変態にはヨダレが垂れそうな未舗装路が延々と続いている。

 しばらく走り、広場のようなところで練習開始。

 最初はダートでのステアリング操作やアクセル操作それにカウンターステアなどの基礎練習。それが終わると広めの周回路と使った模擬SS走行の練習へと移った。

 恐らく演習車両が大量に通過したのだろう、周回路の路面はかなり荒れていたので、最初は恐る恐るアクセルを開ける。

 しかし人間は慣れの動物だ。次第にスピードも上がりフロアを打つ石の音にも不感症になってきた頃、ブレーキングをした際に「ゴツン」という不吉な音がした。

 オイルパンを打ってしまったのだ。

 クルマを止めて懐中電灯でエンジンルームの下側を見ると、幸いな事に亀裂や漏れがなかった。

 安堵して練習を再開したが、なんかステアリングが変だ。直進状態でもステアリングホイールが右に切り込んだ状態となっている。

あ れれ、と思って再度下回りと点検すると、フロントのステアリング・ラックサポートの部分が曲がっている事実を発見。ついでに第一メンバーも曲がっていた。

 実はその時はまだ完全ノーマル状態であり、ラリー車の命とも言えるアンダーガードも装着していなかった。

 大事をとってその時点で練習を切り上げ、ステアリングのセンターが狂ったま高速を走って帰宅した。

 後日、いすゞのサービスで修理したが、第一メンバー交換とラックサポート部の交換で4万円ほどの出費となった。当たり前だがダート走行ではアンダーガードは必需品である。

 しかし、一度ダート走行の魔力に憑りつかれると二度と逃れることができない。

 遂にPF60型ジェミニZZ Rのラリー化計画を決断するのであった。


宜しければサポートをお願い致します!