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カーコラム「Gr.B最後のモンスター "ランチャ・デルタS4 Gr.B "の貴重なテスト映像」

 ランチャ・デルタS4 Gr.Bの貴重なテスト映像である。

 ワークスドライバーのマルク・アレンが、マシンの特性を把握しようと、比較的流し気味に走っているのとは対照的に、エンジニア兼開発ドライバーのジョルジョ・ピアンタ(後にアルファロメオ155でDTMを席捲した”アルファ・コルセ”総監督 )は、激攻めの走りでマシンを駆り立ているのがわかる。

 開発ドライバーの仕事は、本番までにニューマシンの膿(トラブル)をすべて出し尽くすこと。この映像からもそれぞれの仕事の役割分担が見て取れる。

 しかし、それにしてもデルタS4の激速ぶりは凄まじい。 車重が僅か960kgなのに対し、ミドに搭載されたフィアット製1,759ccの直列4気筒DOHCツインチャージドエンジンの最高出力は456ps/8,000rpm、最大トルク46kgf·m/5,000rpm(ともにベーシックスペック)と超強力。噂では、86年最終スペックでは実に600psまでパワーアップされていたとまことしやかに囁かれている。

 パワーウェイトレシオ2kgを切るF1マシン並のモンスターマシンを、完璧に乗りこなしていた当時のラリードライバーがいかに異次元の存在かがよくわかる。


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