見出し画像

ワンマングルメNo.13 「知る人ぞ知る中華街の隠れた名店 " 広東家庭料理 愛群(アイチュン)"」

 近年、新旧交代の波が押し寄せている横浜中華街。老舗は次々と姿を消して行く中、新興勢力が新規コンセプトの店を次々とオープンさせている。

 新興勢力は " フカヒレ、 食べ放題、小籠包 " を三種の神器に、庶民の琴線に触れんと攻勢にやっきだが、40年以上も前から中華街に出入りし、古き良き味を知っている身としては、正直複雑な心境である。

 そんな中、ひらすら広東家庭料理にこだわり、かたくなにその味を守り続けている小さな店がある。広東家庭料理の店 " 愛群(アイチュン) " である。

 店はメインストリートの裏手にあたる開帝廟通りにある。

 メインストリートの老舗系飯店と異なり、極めて小さな目立たぬ店構えなので、知らない人はほとんどが素通りしてしまう。

 一階はテーブル席が4つほど。2階は円卓もありグループ、宴会用。

 めちゃくちゃ元気のいいオバサン(このお店の名物ママ。気さくで心配りが細やかで、ともかくいい人)に看板メニューである「牛バラ飯」と「牛バラそば」を注文する。

画像1

 自慢じゃないが中華街歴30有余年のキャリアから、中華街中の牛バラ飯&牛バラソバは食べ尽くしているが、愛群の逸品は香りが違う。中華街の煮込み系料理にありがちな八角の香りが薄いのだ。

 レンゲを差し込み、肉汁のタレが絡まったご飯とトロットロに煮込んだ牛バラを口に運ぶ。

 口に含んだ瞬間、芳醇な肉汁の濃厚な味わいと、まるでよく煮込んだビーフシチューのように、噛めば噛むほどの味わいが増す牛バラの角煮の食感が渾然一体となって脳髄の快感中枢を刺激する。

 牛バラソバも絶品。濃厚な肉汁が溶け込んだスープが細麺に良く絡み、牛バラとの相性も抜群。

 看板メニューである牛バラ飯、牛バラそばに次いでお勧めなのがチャーハン。まさに「THE チャーハン」。個人的には中華街一の炒飯だと思っている。シンプルながらも、フライドシュリンプがいい仕事をしている。

画像2

 強火で短時間で仕上げられた炒飯は、まさに炒飯の王道と呼ぶにふさわしい逸品である。

愛群
神奈川県横浜市中区山下町138
045-641-6245


宜しければサポートをお願い致します!