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カーコラム「NISSAN BNR32 SKYLINE GT-R 備忘録 Part.7」

 最強のロードゴーイングマシンを目指すBNR32型GT-Rにとって、忘れてはならないのが制動力の充実である。

 8代目スカイラインの開発においても「走る」、「曲がる」性能と同一レベルで「止まる」性能が重要視された。

 そのため、2WD最高峰のモデルであるGTS-t Type M、2000ccの4WDモデルであるGT-S4、そしてフラッグシップであるGT-Rに関しては、フロント4ポッド、リヤ2ポッドのアルミ対向ピストンキャリパーが採用された。

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 2000ccモデルのローターは、フェアレディZと同じフロントが直径296mm、リヤが297mmと大径のベンチレーテッドタイプが採用されている。

 GT-R専用ローターにはターボパターンのピンホールが開けられている。

 また、GT-Rのブレーキには4WAS(4輪アンチスキッドシステム)が採用されているが、これは先に解説したようにET-Sと共用のセンサーを使用し、制御コンピューター間での相互交信も行われている。

 そのため、例えば急制動をかけた際などには、ET-Sは前輪駆動トルクを完全な0:100とはせず、エンジンブレーキ量(エンジン回転数より検出)に拮抗する大きさの油圧をトランスファーに伝達し、前輪にエンジンブレーキを逃げすという、極めて高度な制御を行う。

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 さらに、制動力のみならず走る、曲がる、といったすべての走行性能に大きな影響力を及ぼすタイヤに関してもGT-Rならでは拘りが散見される。

 GT-Rに標準装着されるタイヤは225/50R16というファットなサイズで、ブリヂストンのRE71をベースに、GT-Rのサスペンション性能やE-TSとのマッチングを考慮して新開発された専用品である。

 また、ファットな高性能タイヤと大径のローターを収納するため、ホイールも鍛造製の8JJ×16インチをが装着された。

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 シンプルな5本スポークタイプのデザインが力強さをアピールする専用ホイールは、企画段階ではマグネシウム製も検討されたが、メンテナンスの問題で見送られ、高剛性で軽量な鍛造製が採用された。


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