エッセー 「酒の文化を知らずして酒を嗜むべからず」

シャンパンを注文する時にバカの一つ憶えのようにDom Pérignon(ドン・ペリニヨン)と声高に叫び、あたかも金持ちぶっている成金どもは、ドン・ペリニヨンという銘柄名がシャンパンを発明したとされるベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨンにちなんで名付けられたことなど知る由もなかろう。

 また、同じく有名なシャンパンブランドMoët & Chandon(モエ・エ・シャンドン)の創業が1743年で、クロード・モエがシャンパーニュ地方からパリまで船積みワイン(つまりケータリングワイン)にしたのがその歴史の始まりであることなど当然知る由もなかろう。

 さらに、同じくVeuve Clicquot(ヴーヴ・クリコ)が創業者の息子であるフランソワ・クリコが死去した後、事業を引き継いた未亡人バルブ・ニコル・ポンサンダンに因みに名付けられたことなど知る由もなかろう。因みに"Veuve(ヴーヴ)とはフランス語で未亡人を意味する言葉。

 酒は文化である。ただ呑めばいい、ただ酔えばいいという低脳で下品な輩とは同じテーブルにつきたくはない。

 人生の貴重な時間、しかも酒という人類が生み出した最高の嗜好品を嗜む際には、その文化を分かち合える最高の仲間とグラスを合わせたい。

それがセクシーでゴージャス、そして知性溢れる情熱的な女性ならなお最高。

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