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エッセー「怪談 “携帯電話”」

携帯が鳴った。「いま家を出たよ、これから駅に向かうね。」

暫くして再び携帯が鳴った。「いま駅だよ、これから電車に乗るね。」

また暫くして携帯が鳴った。「いまそちらの駅に着いたよ。」

また暫くして携帯が鳴った。「いま着いたよ。君のすぐ後ろにいるよ。」

振り返ると、2年前に交通事故で亡くなった恋人が血塗れで立っていた。

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