エッセー「" 探偵物語 " 松田優作=工藤ちゃんは永遠のヒーローである。」
松田優作主演「探偵物語」、お馴染み取調室のシーン。
成田三樹夫演じるバーニー服部こと服部刑事が、例によってトンカチで万年肩こりポンポンと叩きながら、松田優作演じる工藤俊作を尋問中。
「工藤ちゃ~ん、あんたがやったんだろ? そのなんだ、ほれ、このギラギラ、ギラギラっとしたナイフ、怖いね~、これだよ、このナイフでグザっと?」。
「だからねバーニー、なんど言ったらわかってくれるわけ? わたしが現場についた時はすでに死んでたって言っているでしょ。まったく頭悪いんだから~」。
頭を掻きむしり必死に弁明を試みる工藤俊作。
「工藤!! 黙って聞いてりゃいい気になりやがって! テメーがやったんだろ、こら!」。
机を叩き、工藤俊作の胸ぐらを掴む山西道広演じる松本刑事。
胸ぐら掴まれて揺さぶられながら、しっかりと手錠を外す工藤俊作。
1979年、当時は大学生。
カッコいい大人になりたいと思った。
ダンディでウイットに富んで、強くて優しくて、そしてしたたか。
そう、それは松田優作演じる工藤俊作のイメージそのものだった。
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