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カーコラム 「男は黙ってアストン・マーチン」

 ジェイムズ・ボンドと言えばアストン・マーチンである。

 ロータスもBMWもTOYOTA200GTも素敵だが、やはりボンドカーにはアストン・マーチンが最もふさわしい。

 アストン・マーチン登場の起源は、シリーズ第三作の「ゴールドフィンガー」のDB5にまで遡る。

 DB5は次作の「サンダーボール作戦」にも使用され、装備された様々な新兵器とともに、優雅さとスポーティーさを兼ね備えたブリティッシュ・スポーツカーの象徴的存在として広く世界に知られることとなった。

 その後、「女王陛下の007」では初代のDBS、「リビング・デイライツ」ではV8ボランテ、「ダイ・アナザー・デイ」ではV12ヴァンキッシュ、そして「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」では新型DBSがそれぞれボンドカーとして使用されてきた。

 アストン・マーチンのカーチェイスシーンで特に印象的なのが、V12ヴァンキッシュとジャガーXKRが激しい氷上カーチェイスを展開するシリーズ40周年通算20作目のメモリアル作品「ダイ・アナザー・デイ」と、ダニエル・クレイグがボンド役を務めた最新作「慰めの報酬」である。

 特に「慰めの報酬」では、オープニングからアルファロメオ159と繰り広げるカーチェイスは、その迫力とリアルさにおいて歴代トップ3にランクされる名シーンだと個人的には思っている。

 余談だが、2003年の11月、公開前の「ダイ・アナザー・デイ」の超スペシャルプレミアム試写会が新宿ヒルトンホテルの大宴会場「菊の間」をぶち抜いて開催され、なぜか列席した。

 駐日英国大使や某元F1ドライバーの鈴木亜久利氏、それに旧華族や財閥系旧家の方々が列席するこのイベントは、前段はフレンチ(もちろんフルコース、ワインはジュブレ・シャンベルタン!)での会食、その後会場に用意された特設スクリーンで試写会というセレブでおハイソな趣向だった。

 当然の如くタキシード着用であることが言うまでもない。

 これまでの人生の中で、あの時ほどリッチな映画鑑賞は経験した事はない。と、いうか今後も無いだろうな。

 スノッブな香りむんむんのアストン・マーチンを、サヴィル・ロウ(Savile Row)で仕立てたスーツを身にまとい粋に乗りこなしてみたいものである。


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