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Essay

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鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
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#カーアクション映画

エッセー 「香港資本が莫大な制作費を投じて製作したハリウッドオールスターキャストの超大作 "The Cannonball Run(邦題/キャノンボール"」

 バート・レイノルズ、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセット、ディーン・マーチン、サミー・デイビス JRといった綺羅星の如きスターを結集し、「Smokey and the Bandit(邦題/トランザム7000)シリーズで一躍その名を馳せたカーアクションの大御所ハル・ニーダムがメガホンをとった超大作、それが1981年公開のカーアクションムービー「The Cannonball Run(邦題/キャノンボール)」である。  エグゼクティブ・プロデューサーのレイモンド・チョウは香港

エッセー 「スバル・レオーネ爆走!郷ひろみ主演の伝説のカーアクション映画 "ダブル・クラッチ"」

 かつてSUBARU LEONE(スバル・レオーネ)が主役の日本映画があった。  1978年製作の松竹作品「ダブル・クラッチ」である。  原作はあの直木賞作家・五木 寛之、監督は日本映画界の巨匠・山根貞男。  主演は高須クリニックのCMでお馴染みの郷ひろみ(ヒロミ・郷)。  主役となるクルマはSUBARU LEONE RX(スバル・レオーネRX)とSUBARU LEONE 4WD SEDAN(スバル・レオーネ4WDセダン)。  林道カーチェイスのクライマックスシーン

エッセー 「伝説のカルトカーアクションムービー " マッハ'78 "」

 日米スタントマンのガチンコ勝負を描いたカーアクションムービー、それが1978年に公開された「マッハ'78」である。 「 西部警察」で長年に渡りスタントを務めた日米ハーフのイケメンスタントドライバー・大友千秋(主役)を筆頭に、日本スタント界の名門クロス・レーシングチームが総出演のこの作品、上映時間のおよそ80%以上が豪快なカースタントシーンという、前代未聞・超弩級のカルトムービーである。  圧巻はなんと言ってもラスト。  一進一退を繰り返すスタント合戦に決着をつけるべく

エッセー「痛快豪快! H・BハリッキーのH・BハリッキーによるH・Bハリッキーのためのワンマン映画 "Junkman(ジャンクマン)"」

 カーアクション映画の金字塔 ' バニシング IN 60(Gone In 60Seconds) ' の製作・監督・脚本・主演のすべてをこなしたH・Bハリッキーがカーアクションの限界に挑んだ意欲作、それが1982年公開の " Junkman(ジャンクマン) " である。  タイトルの如く、ただひたすらクルマを壊しまくる超快感型ストレス発散ムービー。ストーリーなど有って無いようなもの。  高級車からパトカーまで、上映時間約90分の間に、実に150台以上のクルマがスクラップと化

エッセー 「三菱ギャランGTOが疾走する異色のロードムービー "3000キロの罠"」

 1971年に製作・公開された田宮二郎主演作品『 3000キロの罠 』は、全編を三菱ギャランGTOが疾走する異色のサスペンス・ロードムービーである。  大映の専属俳優として活躍していた田宮二郎は、1968年、映画「不信のとき」のポスタークレジットの序列で会社と対立し、一時期映画界から追放されていた。  当時の映画産業はまさに花形であり、作品はすべて自社製作が原則だった。  さらに、5社協定という業界規定により、追放された他社の専属俳優をライバル会社が起用することを厳格に

エッセイー「ニヒルなゲッタウェイドライバーをライアン・オニールが好演 " ザ・ドライバー "」

 1978年公開の映画「ザ・ドライバー」は、凄腕のゲッタウェイドライバー(逃走専門の運転手)と、警察特捜部の刑事との対決を描いたハードボイルドアクションである。  全編の7割が夜間のシーンというダークな色調の中、特撮やCGを一切使わない(というかこの時代には存在しない)リアルなカーチェイスが展開する。  永遠のラブストーリー「ある愛の歌」でアリ・マックグローの恋人役として一世を風靡したライアン・オニールが、クールでプロフェッショナリズムに徹したドライバー役を見事に演じてい

エッセイー「映画 ”バニシング in 60(Gone in 60 Seconds)”を熱く語ろう!

 1975年に日本で公開されたアメリカ映画「バニシングin 60(原題:Gone in 60 seconds)」は、2000年、ドミニク・セナ監督により、ニコラス・ケイジ主演でリメイクされた「60セカンズ(原題:Gone in 60 seconds」のオリジナル作品であり、現在でも語り継がれる伝説のカーアクション映画である。  上映時間99分のうち、後半の約40分間がカーチェイスという前代未聞のこの映画には、52台の高級車やスポーツカー(キャデラック・エルドラド、リンカーン