マガジンのカバー画像

Essay

321
鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

エッセー「レールモントフ著"現代の英雄"」

 最近、久しぶりにロシア文学を読み返している。  ロシア文学の中でも特にお気に入りで影響を受けたのがミハイル・ユーリエヴィチ・レールモントフの「現代の英雄」。  主人公のぺチョーリンの生き様に自らの姿を重ねあわせていた若き日々を懐かしく思い出す。 原文の中でも特に好きな一節は、 Зачем я жил? для какой цели я родился? … А верно она существовала, и верно было мне назначенье в

エッセー「孤独たれ、孤高たれ」

 マケドニアの若き王、アナトリアの大地に立てり。  複雑怪奇な結び目を解く者が世界の覇者になるとの伝説を持つ、ゴルディオン神殿の支柱と牛車を繋ぐ縄の結び目を断ち切ったアレキサンダーは、その後インド ガンジス河の辺りで、もう征服する大地がないと号泣した。  征服者は孤独なり。トップに立つ者をまた然り。  抜きん出た者たちよ、孤独を愛し、孤高たれ!

エッセー「加速と遠心力の狭間」

 かつてハヌー・ミコラはアウディの開発陣にこう言った。  「ともかくまっすぐ走りクルマを作ってくれ。曲げるのは僕らの仕事だから。」  その言葉を端的に表すようなヴァルター・レアルの走り。  アウディ・クアトロは、" 点と点を線で繋ぐ " 典型的なオールドターボマシンの走りそのもの。  直線は怒涛の加速。コーナーからコーナーへ、その走りはまるでワープ。  Gr.Bという狂気の時代に君臨したティラノザウルス、それがアウディ・クアトロである。

エッセー「現代のバベルの塔 ブルジュ・ハリファ」

 7つの首長国からなる連邦国家"アラブ首長国連邦(United Arab Emirates/UAE)"に属するドバイ首長国の首都ドバイ。ドバイはUAEの中でも経済の中心である。  世界一の高さ(全高828,0m、206階建て)を誇る超高層ビル"ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)"はスーパーシティドバイを象徴するランドマークである。  ブルジュ・ハリファには124階・125階(AT THE TOP/地上456m)と148階(AT THE TOP SKY/地上55