がんになってからマズローという階段を上る過程
ピアサポートやサバイバー仲間の話を聴くたびに、その方はどの段階にいるのかを考えるようにしています。
私はがん告知を受けてすべてを失うかのような気持ちに陥りました。
マズローの五段階欲求説の頂上からどん底に落ちました。
生まれ変わり、40前にしてよちよち歩きから再出発しました。
まずは生存という欲求を満たすために自分のがんと治療法、予後について調べ、人生目標を達成するため生存目標年数を決定し自分で治療法を選びました。
次に求めたのは安全な暮らしでした。高額な治療費と生活費の確保。特に家族の人生を守ることを意識しました。社内制度や社会保障制度を調べ、就業規定を読み込みクビにならない戦術も自分で検討しました。当時はどこにも相談相手はいなかった。
次に沸き上がったのが所属の欲求でした。
絶好調だった営業から研修部門に異動しました。これまでの自分の強みだった営業スキルは使えません。研修スキルは想像以上に難しくゼロからの出発となりました。それまでのプライドはズタズタになりつらい時期が続きました。社内に受け入れてもらえるように努力しこの欲求を満たしました。
周りの役に立ち認められたいと営業支援のためにアイデアを振り絞りました。当初は社内研修者の発想など営業部門から相手にされませんでした。顧客ニーズをとらえた社外研修はダイレクトな営業支援となり数字を稼げる内勤スタッフとして認められました。
こうして、ひとつづつ欲求を満たしていくと、いつの間にか自己実現を目指す元のレベルまで戻ってきていました。5年ほど掛かったような気がします。
こんなプロセスの経験を活かして、がんサバイバー仲間の支えになっていきます。
しあわせです❤感謝