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26.國部龍太郎 その人とvol.8 -この胸に流れてるメロディー-

今年デビュー30周年を迎える日本のロックバンドといえば?






SPARK / THE YELLOW MONKEY
BiSHの『スパーク』の元となった曲。友達がよくカラオケで歌ってた。

おめでとうございます。でも今回話したいバンドとは違う。


暴れ出す / ウルフルズ
沢山名曲があるけど、この曲が一番好き。ボーカル兵庫出身だし。

おめでとうございます。ただこのバンドも違う。


ROSIER / LUNA SEA
ごめんなさい。あまり知らないし、かまいたち山内さんがチラつく。

おめでとうございます。でも違う。


ってか、こんな名だたるバンドが揃いも揃って1992年デビュー(30年前)ってすごい。なんたって今超有名なだけでなく、30周年売れ続けてるのだから。しかもこの3つのバンドが1992年の同月(5月)にデビューしてるのも驚きだ。


ただ、それはそれで置いておいて。30周年バンドはこの3つ以外にもあるだろうが、焦らさないでいきましょう。




今回、僕が語りたいのはこのバンド。

僕が産声を上げた1989年に結成し、その3年後1992年にデビューしたのが、平成そして日本を代表するモンスターバンドMr.Children(通称:ミスチル)だ。

これまでもこれからも一番好きなバンド。僕の人生はミスチル抜きでは語れない。











ドン、ドドン。

音楽室の立派なスピーカーから、教室全体を震わすドラム音が鳴り響いた。


今度の合唱コンクールに歌う曲は自分たちで決めていいよ、という音楽の先生の発言に丸坊主の生徒たちはどよめいた。持ち寄せられた沢山のMD。その中から、どの曲にするかみんなで決めようと流し始めた1曲目。

懐かしすぎる


ドン、ドドン。ドン、ドドン。ドン、ドドン。

鼓動にも似たバスドラム。その後ろで流れるのは、心の底から続く階段を上ってくるようなピアノの短音。そして、どこか苦しそうに歌う男性の声。

Tomorrow Never Knows / Mr.Children


よく人から感受性が低い人だと言われる。自分でも最近はそう思う。初めはそんな風に感じなかったのだが、一緒に見た映画やドラマで、僕は何ともないのに隣にいる友達や彼女が号泣してたりすることが何度かあり、分からないけど多分そうなんだろうな、と思うようになった。

そんな僕でも、これまでの人生の中で雷に打たれたような心震える瞬間がいくつかある。そして、それはいつも衝撃を受けるだけではなく、何かしらのアクションがセットだった。

夢だった建築家への道を捨ててお笑いの世界に足を踏み入れた時。
夢見た東京での生活を捨てて伊豆への移住を決めた時。

中学一年生の僕はその日、家に帰るなり速攻ミスチルのファンクラブに入会した。


ファンクラブ歴20年。正直、ミスチルに関してはnoteで何本でも記事が書けるくらい知識と愛があるのだが、今回はあえて僕がミスチルを好きな理由についてだけ、しかも3つに絞って書こうと思う。

【僕がミスチルを好きな理由】
1. いつどんな時でも寄り添ってくれる曲がある
2. 人間臭いキャラクター
3. ミスチルを好きな人が好き

1. いつどんな時でも寄り添ってくれる曲がある

さぁいよいよこれから思春期です!

という時に出会ったのがミスチルだった。過去の記事に書いたように、僕の中学時代に輝かしく、甘酸っぱい思い出は皆無だったが、通学時も授業中も家に帰ってからも、ミスチルはいつも僕の思春期の側にあった

僕がミスチルを聞くきっかけとなったのは、友達に借りたミスチル初のベストアルバム『Mr.Children 1992-1995』(通称:「」)・『Mr.Children 1996-2000』(通称:「」)。ミスチルをこれから聴き始める人は、この2枚のアルバムから聞くことを強くオススメする。ただアルバムの曲順に沿って聴くだけでも、ミスチルの歴史を耳で体感することができるだろう。そして、それくらい色んなジャンル、雰囲気の曲があることに驚くと思う。

ミスチルの曲数はファーストミニアルバム『EVERYTHING』にはじまり、最新アルバム『SOUNDTRACKS』に至るまで全244曲もあるらしい。その中のほぼ全曲がボーカル桜井和寿さん(以下、桜井さん)による作詞作曲であるように、ミスチルの曲は桜井和寿という「人間そのもの」を表している。

人間だから、朝起きるし、歯も磨くし、靴紐も結ぶし、口笛も吹くし、メインストリートでデートもするし、ゴムもはめるし、ジェラシーも感じるし、つよがるし、あんまり覚えていない時もある。

色々ある中で、子供が産まれて幸せな気持ちになることもある。辛いことがあって人によっては「死」を想うこともある。それでも負けずに何かになりたくて頑張るかもしれない。

辛い時、悲しい時、楽しい時、嬉しい時、朝起きた時、夜眠る時、恋する時それぞれのタイミングで聴きたい曲がある。好きな曲名を挙げ出すとキリが無いので今回は割愛するが、いつどんな時でも寄り添ってくれる曲があるというのが、僕がミスチルを好きな一番の理由だ。

人とほとんど話さなかった(話せなかった)僕の思春期、どうにか外の世界と繋がっていられたのは、寄り添ってくれるミスチルのおかげだったと思う。


2. 人間臭いキャラクター

歪んだ性格の僕が「好きなもの」は大抵、一面的に良いものではなく、良いも悪いも両面持ち合わせているものだったりすることが多い。もっと正確に言うと「良い人」とか「良いもの」を真正面では信じられず、その裏には「悪い面」というか「無理してる面」があるのではと勘繰ってしまうのだ。

ミスチルはみなさんご存知のように、大体の曲が前向きで明るくて元気が出たり、いわゆる「良い曲」が多い。特にめちゃくちゃ売れてるメジャー曲は、万人受けしていることからも分かるようにその傾向が強いと思う。

ただ、ミスチルの歴史を長い目で見た時、いつもハッピーでピースなメッセージだけを発してきた訳ではない。売れすぎたバンドとして、何を出しても売れる当時の音楽業界や、それに盲目的に従いついていくファンを皮肉ったような曲や、「死」を連想させる曲など暗いイメージの曲がいくつもある

極め付けとして、ボーカルの桜井さんは、1997年に不倫をして離婚した挙句、その不倫相手と再婚するという、良い風に言うと「人間臭い」、悪い風に言うと「クズ」な一面もある。そして、5年後にリリースしたシングル曲のカップリング『I'm sorry』では、そのような状況をこう歌い上げている。

あれは血迷ってた僕の思い過ごしでした
8割位はあなたの言った通りでした

(中略)
もしも望むなら土下座でもなんでもするから
するから笑って許して
I'm sorry , I'm sorry , I'm sorry , I'm sorry , I'm sorry

I'm sorry / Mr.Children

まぁ僕も悪かったんだけど、君にも悪い部分少しはあったんじゃない?

と言わんばかり。でも正直これが大体の人間の本音ではないだろうか。

それとこれとは関係無いのかもしれない。そして、前妻の方は悲しい思いをしたのかもしれないが、こういったボーカルの人間性まで含めて「人間臭い」ミスチルが大好きだ。『良いことばっかあるわけないよ』という気楽さと、『すべてのことを真っ直ぐに受け止めたい』という無力さへの諦めみたいな潔さが人間の本質であり、どんな曲も違和感なく好きでいられる理由なのかもしれない。


3. ミスチルを好きな人が好き

江戸川コナンが「ホームズファンに悪い人はいないから!」と言っていたように、僕も「ミスチルファンに悪い人はいないから!」と本気で思っている。勿論、コナン君の持論と同様、そこには根拠も何も無ければ、反例を探せばいくらでもあることなんて分かっている。

ただ、少なくとも僕の周りにいるミスチルファン(好き度の大小はあれど)はピースフルな人が多くて、物の考え方やなんなら服の好みまで「なんか合うわぁ」という人が多い。同い年生まれの人に、何かしらシンパシーを感じるあの感じ。

ミスチルのライブに行ったことがある人なら分かってくれると思うが、会場にいる男性も女性もみんな良い顔をしている。完全な主観と思い込みだが、好きなものってそういうもの。




僕が生まれて初めて親に物をねだったのは、『MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 “I U"』の時に、桜井さんが履いていたジーパンと同じ物が、大阪の洋服屋さんで10万円で売っているという噂を聞いた時だ。(親に一生かけて返すからと言ってお金を借りたものの、店に着く頃にはとっくに売り切れていた)

僕が大学進学の際に、どうしても東京に行きたいと願ったのは、東京に行けばいつか桜井さんに会えるかも、という淡い願いがあったからだ。(実際、上京して1年目に六本木でお見かけした、緊張して声もかけられなかった)

僕が妻と初めて2人で話したのは、『Drawing』というマニアックな曲を妻が知っていたからというのがきっかけだ。(結婚式でもミスチルを歌った)

想い出を振り返りだすとキリがない。20年間ずっと好きなものなんて、普通そんなにないだろうから当たり前だと思う。


ミスチルは僕にとって「人生を変えた」バンドではない。
ただ、これまでもこれからも、僕の「人生に寄り添ってくれる」バンドだ。
30周年おめでとうございます。




Mr.childrenのメジャーデビュー30周年記念ツアー
Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス

名古屋公演に行ってきます。感想含めレポートでも書こうかな。
好きな曲紹介なんかも機会があればしていきますね。

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