見出し画像

司法過疎地域における実践

居を移し、いわゆる司法過疎地域で仕事をすることとなった。
写真は所属法律事務所近くの風景である。自然が本当に豊かであり、魅了される。

司法過疎地域とは、明確な法律上の定義があるわけではないが、一般に、地域において、弁護士等の法律実務家の数が少ないため、地域住民が法律的なサービスを十分に受けにくい状況にある地域といえるだろう。
法律実務家の一部地域への集中又は過疎・偏在と呼ばれる社会現象ないし社会課題でもある。

デジタル化が国の施策として推進され、司法においてもオンライン化が急速に進んでいる。オンラインによる法律相談を実施する弁護士も少なくない。
他方、デジタルデバイドの問題、地方において顕著な少子高齢化・人口減少が社会課題であることは論を俟たない。


所在する法律事務所はわずかひとつ。最寄りの裁判所出張所に裁判官は常駐していない。スーパーに行くのに車で1時間以上かかる集落もある。
夫婦関係、借金、相続問題などについて誰かに相談したくても、近隣に顔は知れ渡っており、大きな心理的障壁が生じる。良い悪いかはさておき、揉め事に対し地域コミュニティによる独特の対処方法ないし慣習があるのかもしれない。

このような地域において、声があげられない、あげにくいという事象は内に潜んで存在するか、存在するとすれば、それはどのような問題でどういった要因によるものか、このような問題に対して弁護士に何が求められ、どう対処できるか。真摯に実践していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?