保温したコーヒーの酸味のワケ
休日の朝、ホットコーヒーを淹れる。
それをマイボトルに詰めて出掛ける。
お昼ごろでも温かいコーヒーが飲めるのはありがたい。
しかし、なんとなくいつもより酸味を感じる気が…。
気のせいではない。
コーヒーは時間とともに酸味を感じやすくなる。
その原因は、ステイリングだ。
ホットコーヒーの楽しみ方についての記事を書いた。
温度が下がってくるにつれて徐々に甘みが増す(体温ぐらいの温度帯が最も知覚しやすくなる)ので、時間をかけて楽しめるという内容。
上述の記事では触れていないことがある。
時間とともに甘みを感じやすくなると同時に、酸味も感じやすくなることだ。
実際、コーヒーの液体は時間とともに酸性化していく。
ただし、「酸味が増す=酸化(酸敗)する」ではない。
コーヒーは水に触れると加水分解という反応が起こり…以下、省略。
ようするに、ステイリングによって酸味が増す。
多くの場合、ステイリング(酸性化)と温度の低下(甘みの知覚)は同時に進んでいる。
念のために書いておくと、甘みがあって酸味があるのなら、それはフルーツと同質と捉えられるので、残念に思う必要はない。
(もちろん、そのコーヒー本来の酸味が良質であることが前提)
つまり、「温度が下がって、酸味と甘みを感じやすくなる」はセットで起きている。
一方で、マイボトルで長時間保温されたコーヒーの場合、ステイリング(酸性化)だけが起こることになる。
「温度が高く、酸味は感じやすいが甘みは感じにくい」ということになる。
ひとことで言えば、普段とバランスが異なる。
イメージと実際の味わいの間にズレが生まれるため、満足度が低下しやすくなる。
長時間保温をしたコーヒーにはステイリング(酸性化)が起こることを知っておけば、ある程度は味のイメージができる。
あるいは、あらかじめ酸味の少ないタイプのコーヒーをマイボトルに詰める。
現象を知り、それをうまく利用してコーヒーを楽しんでみては?
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