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落ち込んだ時こそ、自分で

うまくいかない。
どうも何かがこんがらかる、しごと。つらいけど、こんがらかった紐をほどいていくしかない。

昼だ。そんな時でも腹の虫は鳴るのです。
何か食べに出るか…と思ったけれど、美味しい近所の店は、おそらく女性同士のグループで席が埋まっているだろう。顔見知りに遭遇するのが面倒で却下。

何かないかなと冷蔵庫をのぞく。

トレイの奥で黄色い液体がたぷたぷと光っていた。あ、年末に作った牡蠣オイル漬け(の残りオイル)。牡蠣のかけら、ニンニクと唐辛子が浮いている。それを見つけてがぜんやる気が出た。お湯を沸かしてパスタを茹で、フライパンで牡蠣オイルを温める。味見。牡蠣エキスアーンド塩気アーーンド辛み。んもう、味付けはいらないではないか。アルデンテに茹で上がったパスタを鍋からトングで引き上げてフライパンへダイレクト、イン! 「乳化せよ~~~~~~」と唱えながらかき混ぜたら出来上がり。

うまい。
牡蠣の切れ端がごちそう。こんなものでも、お腹は満足する。

仕事もう少しがんばれそう。でも最近、小麦粉にめっきり弱くなって食後にありえない睡魔に襲われる。20分の仮眠でなんとかパソコン前に復帰。ふらふらしながらひとつ書き上げて、校正さんに送る。これがまた、悩みのタネ。まだお付き合いが始まったばかりの人で、意思の疎通が難しい。

昨年末に半年ほど継続して仕事をお願いしていた校正さんが、とんだ。

原稿をふたつ預けたままだったので、やってくれるのかどうなのか連絡が取りたかった。しかし、emailもTwitterのDM、メッセンジャーも返信なし。電話をしてみたけど、もちろん出ない。ラインは既読スルー。
て、こう並べてみると現代の連絡ツールの多さよ…。多すぎて気持ちが悪い。ひとつのツールで1回ずつとはいえ、ひとりの人に3日間で5つのツールを駆使して連絡する自分もこわい。電話とemailを無視すれば済んだ20年前とは大違い。
仕事がしたくないならしょうがないねと私は諦めた。嫌われたかな、しょぼん。Twitterがリツイートで動いていたので、病気で倒れているわけではないようだ。
最後ですと銘打って、「倒れているとかじゃなきゃいいんです。無事ならココ(ライン)にお返事だけください」と流したら即「申し訳ありません」と返ってきた。切ない。けれど長くリモート業をしていると、ままにあるんですこういうこと。連絡ついただけまだいいか。
請求書だけあげてもらい、これまでの作業分を即入金して、おしまい。去る者は追わず。あ、請求書はすぐさまメールで送られてきました。まあ、やきもきする材料がひとつ減ったのでよしとしよう。というのが、昨年最後のやっかいごと。

午後はGoogleドキュメントに頼ってみようと音声からの自動入力。chromeがアクティブじゃないと止まってしまうので、なんとかiPadでできないもんかと試行錯誤。アプリだとできない…?  操作に戸惑い、結局パソコンに戻る。でも入力が止まる。何度トライしても音声開始3秒で動かなくなる。自動入力はいいとこ1行。むきーっとなってSNSに逃避。もう夕方。

夕飯は外に食べに出ようかと……思ったけれど、子どもたちの塾やサッカーで我が家は全員の帰宅時間がまちまち。子どもが大きくなってくると、平日の外食はどうにも不自由極まりない。ああ、家の目の前の牛丼屋がわたしを誘惑している。しかし最近、買って食べることで出るトレイのごみにストレスを感じてしまう。資源がとかいうエコな話ではなく、単にゴミがかさばるのがストレス。汚れたままのトレイは資源回収に持っていけないので、食器でもないのに洗う作業があるのも死にたくなる。ラクしようと思って買ってきたのにちっとも気持ちは楽じゃない。同じ洗うなら赤ん坊でも洗いたい。

きぶんてんかーん!と開き直ってスーパーマーケットに行こうと玄関を出た。なにこれ寒い。寒すぎる。スーパーマーケットはやめて徒歩1分のドラッグストアに踵を返す。もう冷食でもいいかなという思い。
でも最近のドラッグストアは食料品が充実していて、野菜も肉もあって、食材を眺めていたら何か作れるような気がしてきた。そこへもやしの袋が目に入る。19円のもやしに4割引きのシールがついてる。おいくら?元値が安すぎて計算できない。そして横には鶏ひき肉のパック。
あ、そういや冷蔵庫に昨日のサラダの残りの白菜千切りがあったねえ。と、そのまた横には生ラーメンの袋が鎮座。あんかけラーメンにしよう。なんなのこれ、まな板出さなくていいじゃないの。天才。

ドラッグストアから戻って野菜あんを作っていたら、娘が部活から帰ってきた。「寒かったー!あんかけラーメン!なんて尊いごはん!」とはしゃぐのでこっちまで楽しくなった。あんかけラーメンにしてよかった。お決まりのウェイパーとごま油風味のあんかけ。気をよくして大盛りで作ってしまって文句を言われた。しかし苦しいといいながらデザートに焼きイモをぺろり。もりもり食べて塾へ。いそがしいねえ、きみも。

入れ違いで息子も帰宅。さむいさむいさむい。手がこおる~!とお風呂へ飛び込む。そこへ夫がえらく早い帰宅。よほど外が寒かったのか、スーツを脱いで息子の入っている浴室へ。ふたりできゃっきゃとはしゃいでいる。ふたりが風呂から上がり、私はラーメンを茹で始めた。うまいうまいと男二人がふうふうしながらラーメンをすする。買ってきた牛丼を出しても、このふうふうなふたりは見れなかったなと思うと、たかがラーメンでも作って良かったじゃない。外は寒いから美味しいし。

早く帰ってきたしと夫が息子と食器を洗ってくれた。しかもきっちり拭いてしまってくれた。「ぼく、役に立つでしょう~。宿題はしてないけど」と息子が言う。愛いやつ。明日は土曜だし。金曜ボーナス。

なんがかいろいろうまくいかない日だったけど、食事を作って食べると私は気持ちがリセットされる。

落ち込んだ時こそ、自分で。






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